Little Glee Monster、日々の研鑽で掴んだ憧れのステージ ブルーノート東京で魅せた特別な一夜

Little Glee Monster、日々の研鑽で掴んだ憧れのステージ ブルーノート東京で魅せた特別な一夜

 エリック・クラプトンをはじめ、世界のトップアーティストが出演してきたMTVの伝統番組『MTV Unplugged』に、Little Glee Monsterが史上最年少で出演。6月21日、東京・Blue Note Tokyoで収録が行われた。美しいハーモニーを武器に、ポップスからジャズ、ソウル、ファンクなど多彩なジャンルを歌いこなす彼女たちが、ジャズの名門でアコースティックライブを繰り広げるというこれ以上ない組み合わせ。抽選で選ばれた約200名の観客は、歴史に残る歌声に酔いしれた。

レジェンドアーティストと並ぶ快挙を達成

 全員黒のシックな出で立ちと、スウィングジャズ風のサウンドが、会場のラグジュアリーな雰囲気ともぴったりだった、1曲目「青春フォトグラフ」。軽快なリズムに乗せて、体を揺らしながら歌う5人は、肩を組んで記念写真を撮るようなポーズも決めた。そして「だから、ひとりじゃない」の後に続けて歌われた「明日へ」では、しっとりとしたピアノをメインにした力強いミディアムバラードを聴かせる。それぞれのボーカルの魅力が際立ち、ハーモニーの機微までくっきりと聴こえてくるのは、アンプラグドの演奏ならでは。5人は身振り手振りを交えながら情感をたっぷり込めて歌い、特に芹奈のソロから始まるオチサビは、まるで感情がこぼれ落ちるようにドラマチックだった。

 とにかく最初は、かなり緊張していた様子の5人。それもそのはずで、『MTV Unplugged』と言えば、1990年にスタートしたアコースティックライブの殿堂。Aerosmith、ポール・マッカートニー、スティングなど多くのレジェンド級アーティストが出演し、特にエリック・クラプトンの回が話題となって、90年代アコースティックブームの火付け役になったことでも知られる。

 日本版もすでに18年の歴史があり、第1回の宇多田ヒカルから始まり、布袋寅泰、加藤ミリヤ、JUJUなど35組が出演し、Little Glee Monsterで36組目となる。同様に会場に選ばれたBlue Note Tokyoも、1988年にオープンした、歴史のあるジャズクラブの殿堂だ。アメリカに本店を置くものの、ここBlue Note Tokyoにも、チック・コリア、ハービー・ハンコックをはじめとした、多くのジャズの巨人たちがステージに立った。そんな番組、そんな会場で、17歳から20歳の彼女たちが、まったく緊張しないわけがない。しかしLittle Glee Monsterも、全員が10代のうちに日本武道館公演を成功させるなど実力は折り紙付き。緊張から解き放たれた彼女たちは、徐々にその実力を発揮し、それこそモンスター級のライブパフォーマンスを繰り広げていった。

風格漂わせたハーモニーとパフォーマンス

 特に圧巻だったのは、中盤のジャズ/ソウル/ファンクのコーナーだ。ディズニー映画『ジャングルブック』のキャンペーンソングとして歌った「I WAN’NA BE LIKE YOU」は、5人がジャズに本格的にトライした最初の曲でもある。クリストファー・ウォーケンの原曲を聴き込み、本家の雰囲気をいかに壊さず歌うかに苦慮したと以前メンバーが話していた。細かいテクニックが凝縮されたスキャットや、迫力あるシャウトにはより磨きがかかり、序盤の緊張からは一転して歌声も表情も実に楽しそうだ。またファンキーなテイストの「Get Down」は、全編英語の歌詞で、レコーディングでもかなりこだわって何度も録り直した経緯がある楽曲。この日のボーカルは、音源よりもはるかにパワフルでエモーショナルに聴こえた。ダンスや振り付けを交え、リズミカルにステップを踏みながらハーモニーを響かせた5人。その様子は、もう何十年もこの箱に立っているような風格さえ漂わせていた。

 椅子に座って聴かせたコーナーは、エモーショナルな歌声で観客を惹きつけて聴き応えがあった。ほとんどピアノ1本と5人の声だけで聴かせた「ギュッと」は、より細部までニュアンスが伝わり、生々しく歌声が響いてくる。曲の後半、オルガンやバンドの音が加わると感動は倍増し、歌声に引き込まれた観客は、ただジッと聴き入った。かれんが、「1年以上歌ってなくて、久しぶりに歌う曲です」と紹介した「小さな恋が、終わった」は、2016年の1stアルバム『Colorful Monster』に収録されている曲。ピアノと歌から始まり、ミディアムバラードのような雰囲気がありながら、疾走感も持っている楽曲で、前向きさを持った歌声が胸に突き刺さるように届く。5人のハーモニー、息づかい、ニュアンス、一瞬たりとも聴き逃せまいといった感じだ。

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