村川梨衣、“2回目の梨の季節”に横浜で見せた「RiEMUSIC」のリアルな輪郭

村川梨衣、2度目のワンマン公演レポ

 5月26日、声優・村川梨衣のワンマンライブ『2ndRiELiVE 〜梨の季節〜』がパシフィコ横浜 国立大ホールで開催された。村川は2016年6月のアーティストデビュー以来、5枚のシングルと2枚のオリジナルアルバムをリリース。また昨年4月には初のワンマンライブ『1stRiELiVE〜梨の季節〜』を行っており、今回の公演はそれに続く2ndワンマンライブに当たる。

 定刻、開演を告げるBGM「G線上のアリア」を背にステージに現れたギター、ベース、キーボード、バイオリン、ドラムからなるサポートバンドが、2月リリースの2ndアルバム『RiESiNFONiA』のオープニングを飾る「Graceful」のイントロをプレイする中、赤と黒を基調としたドレッシーながらもどこかシックなスタイリングの村川が登場。ピンクのペンライトの光であふれた客席から大歓声が巻き起こり、これに応えた彼女は<誰よりも信じてる だから誰より信じて><同じ時 同じこと 同じ歩幅で歩みたい>と歌い上げた。そして同じく『RiESiNFONiA』収録の「水色のFantasy」「レクイエム -Requiem-」を連投。最新楽曲群で自身最大キャパでのライブの幕を開けると、今度はオーディエンスがそのパフォーマンスに呼応する。かわいらしい「水色のFantasy」プレイ時には水色、村川のハイトーンボーカルが映えるハードロックナンバー「レクイエム -Requiem-」のときには赤と、楽曲ごとにフロアをさまざまなペンライトの色に包まれた。

 その直後にはさらに“大変な”展開が。そのタイトルどおりエモーショナルな「Re:Emotion」を歌い出すと、フロアが座席のブロックごとに赤、オレンジ、黄、緑、水色、青、紫のレインボーカラーに染め上げられる。これはファン有志によって仕掛けられたサプライズ。彼らは、過日ステージイベントや自身がパーソナリティを務めるラジオ番組で「『Re:Emotion』のイメージカラーはステージから観て縦割りの虹色で」と村川が発言したことを受けて、開演前にオーディエンスたちに7色のサイリウムを配り歩き、彼女の望む“景色”を生み出してみせた。

 その“景色”を前に村川は、ここまでの勢いそのままにゴシッキーな「Night terror」と、ツービートパンクを思わせる「月のlx」と硬質な2曲を投下したかと思えば、バンドをいったん退場させて、流麗なストリングスとワブルしまくるシンセベースが印象的な「硝子の扉」や、パーカッシブなピアノハウス「光のイグジット」といったダンスナンバーをキレのあるステップとともに披露。フロアの光同様、カラフルなセットリストを構成していく。パステルカラーのドレスにお色直ししたのちもブラスパンクチューン「恋するパレード」に、ストレートな8ビートロック「辿り着く物語(せかい)は」と、彼女の言葉のとおり「2ndライブオーディションを勝ち上がってきた曲たちを」「怒濤のように歌い」上げた。

 ライブ最終盤のMCで「今日最大の力を込めて楽しめるか!」とオーディエンスを挑発して割れんばかりのレスポンスを浴びた刹那、まったく同じテンションで「今日の夕ごはんはなにを食べるのかな!?」と続ける、どこかコミカルな“りえしょん”らしい一面をのぞかせた村川。そんな彼女がライブ本編のラストにセレクトしたのは「Tiny Tiny」と「帰れない場所へ」の2曲だ。陽性で爽快なパブリックイメージとしての“りえしょん”らしいリリックとメロディに乗せて、“ボーカリスト村川梨衣”らしく凜々しく、しかし明るく爽やかな歌声を響かせた。

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