シングル『Bloom』リリースインタビュー
Superfly、1年7カ月ぶりのシングルで迎えた新たなスタート 「今だからできることを積み重ねて」
「いままでの自分に捉われずに歌いたかった」
ーーシングルのDisc.2には、そのときのライブ(『Superfly 10th Anniversary Premium LIVE “Bloom”』)の音源を収録。いまの話を聞く限り、リラックスしてやれたのかと思いましたが、いかがですか?越智:はい。最初は不安だったんですよ、実は。1年半以上まったく人前で歌ってなかったし、大きな声を出すこともなかったので。でも、ステージに上がってみたら、まったく緊張しなかったんです。準備を丁寧にやったおかげもあると思うけど、「自分の家にみんなが遊びに来た」くらいの気持ちでステージに立てたので。普段とは違うクラシックホールのライブだったから、私が緊張しちゃうとお客さんもガチガチになっちゃいますからね。そうならなくて良かったです。とてもリラックスできていたし、スッキリしました。「歌うって健康的!」みたいな。声を出すって、身体にいいですよね。
ーー健康法の話みたいになってますが(笑)。
越智:(笑)。本当に気持ち良かったんですよ。身体の底からエネルギーがグーッと湧いてきて、それが循環して。ミュージシャンのみなさんの雰囲気も良かったんです。再スタートという意味合いもあったし、それが「みんなで一緒にライブを作ろう」というムードにつながったのかなって。
ーーそもそも、どうして再スタートを見せる場所がオーケストラライブだったんですか?
越智:何でだったかな?
スタッフ:自分で言い出したんですよ。
越智:あ、そうだ(笑)。まず「バンドじゃないな」と思ったんです。バンドでリアレンジするとどうなるか予測がつくし、過去の自分に戻ってしまう気がして。だったらオーケストラのみなさんと一緒にガラッと変えて、いままでの自分に捉われずに歌いたかった。知らないこと、わからないことがやりたかったんでしょうね、きっと。実際にライブを作っていくのは大変でした。最初はもっと小さい編成をイメージしてたんだけど、やりたいことがどんどん増えていって、最終的には30人近い大編成になって。音の圧もしっかりしていたし、歌っていて気持ち良かったです。
ーー歌われた楽曲も「愛をこめて花束を」「Force」「Alright!!」など代表曲ばかりですからね。Superflyの楽曲の良さを再認識できたのでは?
越智:そういうところもありました。多保(孝一)くんの曲が多いんですけど、とにかくメロディがいいし、どんなアレンジにしても、曲の個性がまったく消えないんです。「Good-bye」も歌っててすごく気持ち良かったですね。自分を解放できたし、空を飛んでるような感覚があって。普段から「リラックスしよう」と意識して生活していたのも良かったんでしょうね。当日は「いまできることをやればいい」という気持ちになれていたし、ご機嫌だったせいか、MCの予定はなかったのにめちゃくちゃ喋っていたみたいで(笑)。幕間で映像を流していたんですけど、ステージ袖に引っ込んだときにスタッフから「よくしゃべるね」って言われました(笑)。
ーー気負いがないというか、いい意味で肩の力が抜けていたんでしょうね。
越智:そうですね。ステージに立ってみないとどうなるかわからないと思ったから、事前にスタッフさんたちにも「止まりたかったら止まるかもしれないし、喋りたくなるかもしれないです」と伝えていて。“その場の空気によって”みたいなことも、休む前はできなかったんです。演出はもちろん、曲間もあらかじめしっかり決めて、それを再現するという感じでライブに臨んでいたので。気持ち的に一呼吸置きたいときも、「予定通り、すぐに次の曲に行こう」みたいな感じでやっていたというか。11月のライブのときはまったくそうじゃなくて、気持ちも楽でした。
ーー思い切って休んだことが良かったのかもしれないですね。
越智:そうだと思います。11月のライブをやると決めたときは「まだ早いかな」と思ってたんですよ、実は。でも、想像以上に気持ち良く歌えたし、「Bloom」も披露できて。いいきっかけになりました。
ーー夏にはフェスの出演も決定しています。活動のペースも上がっていきそうですか?
越智:拳を挙げて「行くぞ!」という感じではないですけどね(笑)。この先は良い意味で変わっていく時期だと思うし、過去に捉われず、今だからできることを積み重ねていきたいなって。パワフルな曲を求められることもあるだろうけど、もしかしたら本当の意味では今のほうがパワフルかもしれないし。「Fall」も激しい曲だけど、今までとは違う、妖艶な激しさを表現できたと思ってるんですよ。そのときどきの自分をしっかり出しながら、ゆっくりやっていきたいです。
ーー音楽性も変化しそうですか?
越智:自分でも、「これからどうなるんだろう?」と思ってますね(笑)。いちリスナーとして音楽に接するときに、生活のなかで自然に入ってくるものもあるし、そのなかで「これはいいな」と感じるものを作品として発表していって。それが最終的にどうなるかは、まだわからないです。無意識に任せて作っていって、それを一つにまとめたときに「こういう流れになったんだね」ってわかればいいかなって。どうなるか、私自身も楽しみです。
(取材・文=森朋之)
■リリース情報
『Bloom』
6月6日(水)発売
初回盤DVD ¥4,000+税
初回盤BD ¥5,000+税
通常盤 ¥2,700+税
<DISC.1>
1.Bloom
2.Fall
3.ユニゾン
4.Force -Orchestra Ver.-
<DISC.2オーケストラ・アレンジ盤(CD)>
<DISC3(DVD or BD)>
『Superfly 10th Anniversary Premium LIVE "Bloom"』
・Prelude
・愛をこめて花束を
・やさしい気持ちで
・春のまぼろし
・愛に抱かれて
・輝く月のように
・You & Me
・あぁ
・Wildflower
・Good-bye
・Beautiful
・Force
・Alright!!
・”FIRE” Medley(タマシイレボリューション / 恋する瞳は美しい / Bi-Li-Li Emotion / Free Planet)
・愛をからだに吹き込んで
・Bloom
・愛をこめて花束を ※DISC.3のみ収録
■関連サイト
Superflyオフィシャルサイト