HIKAKIN&SEIKIN、Mステに初出演! 新曲「雑草」が描きだす人気YouTuberまでの道のりと苦悩
本日12月22日放送の『ミュージックステーション スーパーライブ2017』(テレビ朝日系)にYouTuberのHIKAKIN&SEIKINが出演する。番組で披露する「雑草」は10月19日リリース後、iTunesとレコチョク総合ランキングでも1位を獲得した。同楽曲は総合監修をHIKAKIN、作詞作曲をSEIKINが担当。編曲はHIKAKINと旧知の仲で親交が深いTeddyLoidが手がけており、自身を“雑草”にたとえた応援ソングとなっている。
すでに広く認知されているかもしれないが、改めてYouTuberについて説明すると、YouTubeにアップロードした動画再生に伴う広告収入で生活する新しいクリエイターの形だ。日本で一番有名なYouTuberとも言われているHIKAKINは『力の限りゴーゴゴー‼︎』(フジテレビ系)内の全国学生アカペラ選手権大会「ハモネプリーグ」がきっかけでボイスパーカッションに興味を持ち、高校生の時にYouTubeへの投稿を開始した。2010年6月に『スーパーマリオブラザーズ』のBGMをボイスパーカッションでアレンジした「Super Mario Beatbox」を公開すると日本国内月間アクセス1位を記録し、同年7月にアメリカ合州国の『CBS News』のトップニュースで取り上げられるまでになった。これをきっかけに国内外で活躍することとなったHIKAKINはAerosmithやアリアナ・グランデ、NE-YOなど世界的トップアーティストと共演し、2014年には『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)にも出演を果たしている。一方SEIKINはHIKAKINの実の兄で、アカペラやゲーム実況、商品紹介動画など様々なことに挑戦する「やってみた」動画などで幅広い年代に支持されている。
各人個別に音楽活動をしていた2人が初めて本格的に共作した作品が、2015年に公開された「YouTubeテーマソング」だ。実は同楽曲は2012年に自主制作のMVが公開されていたが、YouTuberでもメジャーに引けをとらない作品ができることを伝えたいという思いから、新曲「雑草」同様、編曲をTeddyLoidに依頼。MVの監修にはAKB48やLittle Glee MonsterのMVを作成しているZUMIを起用し、普段の日常動画とは異なるクオリティで作成された。さらにリリースから1年半後には小室哲哉がリアレンジし、AWAで配信されるなど話題を呼んだ。
今でこそトップYouTuberの彼らだが、現在に至るまでの道のりは簡単なものではなかった。広告収入が可能になるまでの下積み時代、HIKAKINは昼間にスーパーで働き、夜中に動画制作する生活を4年間経験し、兄のSEIKINは高校卒業後、一度は大学に進学したものの自身が進みたい道とは違うと感じ中退。その後就職した会社で過労死寸前まで働くなど、辛い時期が長かったと動画内で2人は語っていた。裕福な家庭に生まれたわけでもなく、学歴もない自分達自身が雑草のようだと感じたところから楽曲の制作が始まったという。
SEIKINは「いい曲を作りたかったので集中する日を作るために動画投稿を休んだ」と動画内で語った。2人で何度もメロディを聴き、話し合い、一番思いが届く言葉を選び抜いて完成した曲が「雑草」だ。「自分達のように荒れた土地に生えてきた雑草でもずっと努力していればいつか花開くという意味を曲に込めた」(SEIKIN)、「わかりやすく僕らの思いが伝わる歌詞とメロディになっています、今回の新曲は応援ソングです」(HIKAKIN)と語っていたように、YouTubeでの成功は地道な努力の積み重ねによるものだと伝わる一曲となっている。
YouTuberが『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演するのは今回が初めてのこと。SNSでも「おめでとうございます!」「さすがヒカキン&セイキン!」「絶対見る!」との声が多く、期待が高まっている。YouTubeの枠を飛び越え、2人がどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか注目したい。
(文=平沢花彩)