Google Play MusicがSpotifyやApple Musicに続けなかった理由 年内終了の報道を機に考察
4月24日、米Googleが2013年から提供しているストリーミングサービス・Google Play Musicが年内に終了する可能性があると報じられた。同時に、YouTubeの新音楽サービスをスタートするという(参考:「Google Play Music」、年内に終了し、ユーザーは「YouTube Remix」に統合か?)。SpotifyやApple Musicなどと同時期に開始した同サービスだが、日本でもその利用者数は二つのサービスよりも少ない(参考:2017年 定額制音楽配信サービス利用動向に関する調査・ICT総研)。そこでGoogle Play Musicについて、海外の動向にも詳しいデジタル音楽ジャーナリストのジェイ・コウガミ氏に話を聞いた。
「まず前提として、Google Play MusicがSpotifyなどと比べて成功できていない理由の1つは、YouTubeとGoogle Play Music、二つのプラットフォームが同じGoogleという会社にありながらユーザーを食い合っていたというのが一番大きいです。そもそもは、YouTubeでフリーで聴いていたユーザーに“もっとスマホで音楽を聴きたい”と思わせて、Google Playで課金するという流れを考えていたはず。しかし、この流れをうまく作れないまま、SpotifyとApple Musicがどんどん存在感を大きくしていきました。もう一つは、Google Homeとの連携をうまくプロモーションできていなかったこと。AmazonがAmazon EchoとPrime Musicが連携できる仕組みを作って音楽配信を強化し始めていたのに対し、スマートスピーカーの優位性を活かしきれなかった感はありますね」
ジェイ氏は日本でもGoogle Play Musicが終了し、YouTubeの新サービスがスタートする可能性は十分に考えられると指摘する。
「新サービスを始めるには、すでにSpotifyやApple Musicの有料会員になっている人、もしくはまだ有料会員になっていない人たちに対して、ちゃんとプロモーションできるかが鍵ですね。よほどの説得力がないと、新しいサービスを使ってもらうのはなかなか難しい。スマホの購入にサービスをバンドルしたり、無料期間を設けるなどの直接的な施策をしないと、認知してもらうのも大変です。ただ、ここでSpotifyとApple Musicに立ち向かえなかったら、Googleが音楽ビジネスをやる意味を見出せなくなってくるのではないでしょうか。今後ますます世界中ではストリーミングで音楽を聴く人が増えていくと思うので、そこにGoogleがいないというのは非常に大きなことだと思います」