あいみょんが明かす、音楽活動で芽生えた“闘争心” 「生々しい表現は知らずに出てくる得意技」

あいみょんが抱く“闘争心”

「闘争心を持ち続けたい」

ーーなるほど(笑)。カップリングの「わかってない」は、『tamago』(2015年)に収録されていた「分かってくれよ」のアンサーソングかと思ったのですが。

あいみょん:あぁ。私としては特に意識していたわけじゃないんですが、確かにアンサーソングと思われるかもしれないんですね。「分かってくれよ」は男目線だし、「わかってない」は女目線だから。聴いた人が「もしかしてこれ……?」って勘ぐってくれるのは面白いですよね。今回は2曲入りということがあったので、「満月の夜なら」を聴いた後にそのままスムーズに入れるような曲が良くて。「満月の夜なら」のなかにいる女の子が、「わかってない」の主人公なのかな? とか、対になっているという捉え方もできるだろうし。最近はたまたまリリースする曲が男目線が多かったんですけど、女の子目線は久々なので、新鮮だと思っていただけるかもしれないです。

ーー今回の2曲を通して、やっぱりあいみょんさんの軸にあるのは人間らしい生々しい部分だと感じました。

あいみょん:自分としては、それも特に意識せず出ているんですよね。昔と比べても、さらに意識しなくなりましたね。10代の頃は、こうやったらウケるかな? とか考えてたかもしれないですけど、最近は思いつくままに。そういう生々しい表現は、知らずに出てくる得意技なのかもしれません。

ーーあいみょんさんは他のアーティストに楽曲提供することもありますよね。

あいみょん:そうですね。同世代の方たちに書くことが多いです。初めては19歳の時にジャニーズWESTさんの「Time goes by」(2015年リリースの『ズンドコパラダイス』通常盤に収録)の歌詞を書いた時なので、自分のインディーズデビューよりも作詞家デビューの方が先だったんですよ。でも、その時の経験がなかったら、提供の面白さをわかってなかったと思います。すでにメロディがあって、そこに詞を乗せるという作業はその時が初めてでした。どこまであいみょんっぽさを出したらいいんだろうと悩みながらも、私に作詞を頼むっていうことは、私らしさもほしいし、でもジャニーズWESTさんの色もないとアカンって思うと難しくて。

ーー最近だと、DISH//の「猫」(2017年リリースの『僕たちがやりました』に収録)も。

あいみょん:「猫」、めっちゃいい曲ですよ(笑)。私にも歌わしてほしい(笑)。メンバーの方が私の曲を前から聴いてくれていたみたいで、オファーがあって。光栄でした。「猫」はDISH//のファンの方たちからも人気みたいで、カップリングの曲がフィーチャーされるって素敵ですよね。すごい嬉しい気持ちになりました。

ーー新しい学校のリーダーズに提供した「学校行けやあ"」は、かなり振り切った印象もありますが(笑)。

あいみょん:「学校行けやあ"」は、「自分って、こんな曲もできるんや」って思いました(笑)。すごく難しかったですよ。<学校行けや>っていうワードを使うというお題があって。そんな曲あらへんじゃないですか(笑)。設定のクセ、めっちゃ強いやんって思いながら、シチュエーションがわからへんから。でもそれが今後の自分の作詞の勉強にもなるので、提供は今後もできたら嬉しいですね。

ーーシンガーソングライター以外にも、作詞家・作曲家としても活動していることに関しては、どう感じていますか?

あいみょん:最初の頃は、自分がこういう活動をするなんて思っていませんでした。もし、自分の声に何かがあって歌えなくなったとしても、作詞は続けるだろうなと思うときがありますね。楽曲提供って自分の中で、大きな役割を持っていて。あいみょんっていうアーティストをやりつつも誰かの曲を書くときは一旦リセットできるんですよね。他にももっといい曲書ける気がするなって思ったりとか。やっぱり提供でこそいい曲を渡したいと思いますし。提供でめっちゃいい曲出しちゃったら次の自分の曲にプレッシャー感じることもあります。

ーー「声が出なくなっても詞は残したい」という発言は印象的ですね。

あいみょん:それはいつも思いますね。自分の声やからこそ良いところもあるんでしょうけど、他の人の歌声でも自分の作詞作曲の良さを出せるのも、実力のひとつだと思いますし。他の人の歌声でも自分の作詞作曲した曲たちは生き続けるから。もちろん、今は自分で歌いたいとは思いますけど。

ーーあいみょんとしての活動の幅も広がってきていますが、その手応えはどう感じていますか?

あいみょん:いろんなジャンルの音楽ができることを自分の強みにしたいですね。それが一番見てほしいところなのかも。色々コロコロ変われるのって、シンガーソングライターだからこそだと思うんですよ。今回の曲も新鮮な気持ちで聞いてもらえたりするんかな、って思います。「満月の夜なら」を聴いたあとに、例えば「生きていたんだよな」を聴いたとしたら、驚くと思うし、私はそれってすごい面白いなと感じていて。ちゃんと自分の軸がありながらも音のテイストを変えていったりすると、自分としても次が楽しみになる。まあ、自分でハードルを上げまくっていますけど(笑)。

ーーあいみょんさんは、自分からどんどん戦いを挑んでいく感じがありますよね。

あいみょん:バトルですよね。「音楽は勝ち負けじゃない」って言われるんですけど、私は勝ち負けだと思いながら、ひとりで勝手にバチバチしてるんですけど(笑)。

ーーそう感じるのはなぜ?

あいみょん:誰かのライブを見て、「うわー負けたー」って思いますからね。「私負けてるやん。これには勝てへん」って。でも、私はそうやって捉えていた方が、いい曲書けると自分に言い聞かせてるというか。音楽は楽しいだけでやっていて、ハッピーであればそれでいいかなと思う時もありますが、勝ち負けの感覚のほうが強いです。競い合うからこそ楽しいし、悔しい感情が糧になる時もあるし、私は闘争心を持ち続けたいなと思っています。

(取材・文=髙木智史/撮影=伊藤惇/スタイリスト=服部昌孝)

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<応募締切>
2018年4月20日(金)まで

あいみょん『満月の夜なら』
 

■リリース情報
4thシングル『満月の夜なら』
発売日:4月25日(水)
価格:¥1,080(税込)

<収録曲>
1.満月の夜なら
2.わかってない
3.満月の夜なら(Instrumental)

■ライブ情報
『AIMYON TOUR 2018』
-TELEPHONE LOBSTER-番外編「BOIL」
4月10日(火)神戸 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
OPEN18:30/START19:00
4月12日(木)広島 CAVE-BE
OPEN18:30/START19:00
4月15日(日)鹿児島 SR HALL
OPEN17:00/START17:30
4月27日(金)札幌 KRAPS HALL
OPEN18:30/START19:00
チケット一般発売3月3日(土)10:00〜

台湾公演
6月22日(金)Legacy Taipei

あいみょんオフィシャルサイト

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