『a kind of love』インタビュー
超特急が語る、新体制の決意とメンバーの絆 「これまでよりダンスも歌も特化していく」
いろんなことに6人と8号車で挑戦していきたい(リョウガ)
ーーそしてニューシングル『a kind of love』は、もうロードムービー風のMVが公開されてますね。あれにはストーリー設定みたいなものはあるんですか?
リョウガ:あれはストーリーものというより、6人体制になった僕らの決意が込められたものになっていまして。改めて一人ひとりが集まって、ひとつの目的地に向かって走っていく……というのと、“これからもっと羽ばたいていきたい”という意味で空を飛ぶということ。そしてスカイダイビングは僕たち全員にとって初めての挑戦だったので、これからももっと、今まで以上に新しいこと、いろんなことに6人と8号車で挑戦していきたいという、意思表示に溢れたものになっているんですけども。
ーーMVが公開されてから、ストーリー設定について8号車たちがああでもない、こうでもないと論議しているのをTwitterで見かけました。
リョウガ:ああ、そういうのは嬉しいですね。細かいところを見れば、最初のほうにレールが映って、メンバーで一番最後にタカシが加わる辺りなんかが、深読みしようと思えばできるし、見る人によって印象が違うようなMVになっていると思います。
ーー“一人ひとりの身に着けている服や小物の色にも意味がある”説もありました。
ユースケ:ああ、なるほど。色ですか!
カイ:一度そういう、ちゃんとした答え合わせみたいなこともやってみたいですね。
リョウガ:いろんな風に当てはめることもできるとは思うんですけども。全体的には今の超特急を表したものにはなっていると思いますね。僕らはこれまで目標は東京ドームだと言ってきたし、その目的地は変えずに進みたいので。
ーーここで改めて、みなさんが思いをひとつにされたと。
リョウガ:この体制になって、改めて6人の絆が一段と深まった感じがしますね。
ーー歌詞もいろんな感じに読めると思うんですよ。恋愛やファンとの絆を描いた話にも読めるし、卒業みたいな別れだったり、新たな出発を描いてもいて。歌うタカシさんはどういう絵を想像しながらレコーディングしたんですか?
タカシ:ざっくりしたイメージですけど、聴いてて幸せになれるとか、ハッピーだったり笑顔になれる、そういうものを想像しながら歌いました。自分がデモを聴いた段階で、なんだか自然と笑顔になれたんですよ。その印象を聴いてくれる方にも届けられたらいいなって。街でこの曲を聴いたときに、僕と同じように「なんだかわからないけど笑顔になれるな」と思ってもらえたら嬉しいです。だからこそ、歌にもひとつひとつの言葉に意味を持たせるような表現力が必要だと思ったし、誰が聴いても伝わるようなわかりやすい表現を、この曲では目指しましたね。
ーーこれまでの作品に比べて、レコーディングに苦戦されたりとかは?
タカシ:レコーディング自体よりも、そこに行き着くまでの過程に時間がかかりました。ボーカルが一人だけになったんで、4分間を全部同じような声のトーンにしてしまうと、人によっては飽きてしまうかも? と思いましたし、自分がこういう風にしてみたいと思って挑戦した部分もあったりして。何せ一人で作品を作り上げるというのが初めてのことなので、“さあ、どうしよう?”って感じでしたから、最初は。
ーー結果的に1曲の中に自然にいろんな表情が出ていて、タカシさんの歌がこれまでと比べて格段にバージョンアップした感じがありました。他のメンバーのみなさんは、仕上がった曲を聴いてどんな印象を受けました?
タクヤ:6人体制になっての決意表明にぴったりだと思うし、爽やかで、明るくて……最初に聴いたときに、シンプルにいい曲だなって思ったんですよ。自然と耳に残るというか。
カイ:王道のポップスではあるんですけども、抽象的なものではなくて、具体的に誰かの恋人とか友達とか家族とか、人じゃなくてもペットだったり、宝物だと思っているような大切な何かが自然と思い浮かんでくるような曲だと思ったんですよ。聴いている人に寄り添ってくれたり、自然と背中を後押しされるような曲になればいいなって。
ユースケ:歌詞も、人それぞれの捉え方があると思うんですけど、僕は前向きなものとして考えていて。最初の仮歌の段階ではもっとシンプルな感じで、歌詞も違っていたんです。でもタカシの歌声が入って「a kind of love」になった頃には、いろんな捉え方のできる曲になっていたんですよ。この曲がシングルになったことには意味があると思うし、今の超特急には必要な曲なんじゃないかなって。自分たちで聴いてもすごくいい曲だからたくさんの人に聴いてもらいたいし、ワンマン以外でも例えばテレビだとかで、もっと披露する機会が増えればいいなと思ってます。
ユーキ:4月4日リリースだし、新学期を迎える人や新社会人になる方の多いこのタイミングや季節にもぴったりだと思うんですよね。あと8号車にとってもそうだと思いますけど、これまで超特急を知らなかった人にも受け入れてもらえるような曲なんじゃないかと。この曲を聴いて「超特急って何だろう?」と興味を持ってくれたらいいし、それでいて、検索とかかけてもらうと全然このイメージじゃないじゃないですか?(笑)。そのギャップを面白いと思ってもらえたら嬉しい。超特急の輪が広がってくれるようなシングルになるんじゃないかと思ってます。
ーーセンターはリョウガさんということで、シングルのタイトル曲としては「Believe×Believe」ぶりということで、久々ですけども。
リョウガ:単純に曲調だけを考えると、これまで僕がセンターをやらせていただいた曲は「Bloody Night」や「Believe×Believe」のように世界観が強いというか、王道からやや外れた変わり種の曲だったので。この「a kind of love」でやってもいいのか? という気持ちはあったんですが、これが6人体制初めてのシングルだと考えると、ここは超特急のリーダーである僕がやることに意味があるんだなと思ったので、やらなければ! という気持ちで。それなりのプレッシャーはもちろんありますけど、ここはリーダーとして頑張りたくて。
ーーということは、センターを担う意識もこれまでのシングルとはまた違うんでしょうか?
リョウガ:そうですね。センターはその曲の主人公的な意味合いがあるんですけども、今回に関しては僕が主人公ではなく、8号車を含めた超特急全員が主人公で。そのリーダーである僕がセンターに立つというだけなので。
ーーなるほど。8号車にはおなじみのえんどぅさんの振付が「いい意味で意外性がある」という触れ込みでしたが、MVでは一部しか観られないんですよね。全体像はどうなっているんですか?
ユーキ:曲の雰囲気からまったく想像できないというわけではないですけど、「そう来るか!」と思うポイントは多いと思います。超特急を知っている方には「ああ、これこれ!」って感じると思いますし、曲に引っ張られない、超特急らしい世界観がふんだんに込められたダンスになってると思います。
ーーMVで見た限りですけど「a kind of love」もえんどぅさん節全開で、カウントが細かいなと感じたんですよ。タカシさんはこの曲で、かなり歌いながらも踊ってますよね。
タカシ:そうですね。この曲を含めてこれからライブで披露していくんですけど、新体制になるにあたって、既存の曲のフォーメーションも変更になったりしているんです。5年前に振付した曲を、今振り移ししてもらったりもしていて、覚えることも多いんですけど、すごく新鮮に感じてます。1曲の中で動く量も明らかに増えますし、不安ももちろんありますけど、他の5人ががっつり踊ってるので、頑張ってついていかないと。頑張るって言葉でお茶を濁すのは僕は好きじゃないんですけど、今だけじゃなく、これからずっと、今までの何倍も努力が必要が必要になってくると思います。
ユースケ:タカシはしんどいだろうけど、特に今が頑張りどころだと思うんです。ダンサーの僕らも大変なんですけど、タカシはダンスの量を減らすんじゃなく、これまでより増やしていく形になったので、これまでよりもさらに歌いながら踊る感じになるんですよね。僕のイメージとしては三浦大知さんみたいな感じで歌って踊ることを、細かいカウント&全力でやるので。これまでとは違った感覚だろうし、単純に難しいとも思います。でもそれができるようになったらきっと強い武器になると思うし、タカシの魅力がもっと引き出されることにもなると思うので。共に頑張ります。
ーーなるほど。少し話が戻るんですが、『PERFECT VALENTINE』のときに「My Buddy」でダンサーのみなさんが力強く掛け声を入れたりされていたのが印象深くて。今後は歌の中でも、掛け声や煽りを入れるポイントが増えていくんでしょうか?
カイ:掛け合い前提で作られている曲でのタカシは歌もダンスもより大変になるので、できるところはダンサー全員でサポートする形にしていこうと思ってます。ボーカル1人+ダンサー5人ではなく、6人としてのグループ感をより出していきたいですし、これまでよりダンスも歌も特化してパフォーマンスを見せていきたいです。掛け声だとかは僕らに任せてもらって、タカシが楽できるところは楽してもらって、その分僕たちが頑張ればいいので。ひとつのグループとして支えあっていければ、一番いい形になるかなと思います。
ーー歌もそうですけど、このタイミングで超特急のダンスもある意味、生まれ変わるということですか?
ユーキ:そうですね。曲によっては元々担っていた振付を入れ替えたり、ペアを組んで踊るメンバーが変わったり。フォーメーションが違うだけでもかなり印象が違ってくるんですよね。なので、これはイメチェンという意味でもいい機会じゃないかと思ってます。
リョウガ:6人になってパワーダウンしたと思われたり、7人の頃と比べられるのも違うと思うし、新しいものとして成立させていかないと。