m-floが語る、再結成への想いとそれぞれの現在地「今は間違ってることが面白いと感じられる」

m-flo、再結成の真相とその変化

☆Taku「敢えてちょっと間違いを作っていく」


――ところで、今3人が気になっているアーティストや音楽ジャンルは何ですか?

LISA:私はあいかわらず何でも聞くので。ベタだけど最近のアルバムだと、クリス・ブラウンとか好きですね。あとケンドリック・ラマーとかブルーノ・マーズとか。

VERBAL:僕はやっぱりヒップホップですね。最近の若い子たちは音楽そのものというよりは全体のパッケージとして面白い。リル・ヨッティがイーブロー(NYの老舗ラジオ局Hot 97のメインパーソナリティー)のインタビューを受けて「お前のラップは本物じゃねえ」って言われても「俺の方がフォロワー多いし」みたいな返し方してるとか(笑)。そういうのってカルチャーとして面白いので、そういう若い子たちをフォローしつつ、でも結局好きなのは90sっぽい感じのヒップホップですかね。最近、(サイプレス・ヒルの)DJ Muggsがメイヘム・ローレンっていうラッパーをプロデュースしてて、モロ90sなんです。最近いちばん刺さったのは彼ですね。

――☆Takuさんは、今、どの辺をチェックしてるんですか?

☆Taku:好きなアーティストはたくさんいるし、それこそ今回の『BACK2THEFUTURETHEALBUM』(2月28日に発売されたリミックスアルバム)でも、日本の好きなアーティストや好きな若手にリミックスをお願いしてるんだけど、正直、いろいろ聞きすぎちゃって飽きちゃってもいるんです。だから、最近はいろいろ聞いていって、この曲のこの部分が好き、この曲のこのサウンドが好き、このビートが好きっていうところをスクラップして集めてます。これは僕のネタ帳なんですけど(と言いながらスマホを見せて)こういうことしてるんですよ。

――気になった部分をパーツごとに細かく切り出して、アプリでまとめてるんだ。

☆Taku:これは『Planet Shining』と『EXPO EXPO』を作ってるときにやってた手法。当時もこうやって曲のカケラを集めてたんです。

――そもそもm-floって先進性と大衆性が共存したサウンドでJ-POPに風穴を開けたと思うんです。洗練されていながら実験性もあって、そこで生まれる違和感がm-floのシグネチャーサウンドを形成し、それがJ-POPの中でとても目新しかった。そこから十数年経過した今は、シーンが細分化され、最先端やトレンドが同時多発し、何が大衆的なのかも掴みづらくなってきたと思うんです。

VERBAL:iTunes1位とオリコン1位とYouTube1位と、いろんな1位がありますからね。

――そんななか、☆Takuさんは、今、日本でどういう音楽を作ろうと思ってるんですか?

☆Taku:僕はフューチャーJ-POP。「Fuck J-POP」って言ってたくらいだし。

——「come again」を作ったときも、インタビューで「日本の歌謡曲のルールには則っていない作り方をした」と言ってましたよね。

☆Taku:言ってましたね。そこはブレてないと思うんですよ。やっぱりオルタナティブになるものを出していきたいなっていう。でも根本的に僕はポップな人だと思うんです。本質はポップスの人で、ポップなモノにキュンキュンする人だから。その上で、LISAという素晴らしい声を持った素晴らしいメロを書ける人がいて、VERBALという日本でいちばん好きなMCがいるからこそ作れるものがある。そんな2人と曲を作っていった結果、ポップな方向に行くっていうことがm-floの美しさなんじゃないかと思ってるんです。

――とはいえ、新曲もそうですが、m-floの音には独特の違和感やユニークさがある。

☆Taku:そのユニークさと違和感っていうのが、m-floがジャンルに収まらないところに繋がってると思うんです。さっきも話したけど、m-floの過去の作品を聴いてフレッシュに感じるのは間違っちゃってるから。良いものを良いと認めたいのに、昔はそれを抑えてたんです。あと手グセも封印してたけど、今はもう手グセを解禁。かっこいいなって思う音は先輩だろうが後輩だろうが取り入れる。でも、そのときに、かっこいい音をどう取り入れるかっていうのが重要で、何かのシンセで出している音をベースで弾いてもらったりとか、そういう風に敢えてちょっと間違いを作っていくっていうことなんです。

――なるほど。

☆Taku:なんでかというと、今はもう、みんな同じシンセを持ってるんですよ。例えばスクリレックスがかっこいいなと思ったら全く同じ音を作れちゃう時代。そういうプリセットも売ってるし。

――そういう情報も早くキャッチできるようになりましたしね。

☆Taku:YouTubeを見れば、「こうやったらスクリレックスの音ができるよ」っていうのもわかるし。ある意味、いい時代なんだけど、オリジナリティを生み出すのが難しい。だから、間違えるんです。間違えようとする。昔は自然に間違えてたけど、間違える環境を作るっていう。

――正攻法を知ってる上で、敢えて間違えるっていう。

☆Taku:今、そこは意識してます。でも、m-floって本当特殊ですよ。つくづくそう思う。だって、3人それぞれの得意分野があって……。今、m-floがすっげぇいいな、強いなって思うのは、本当みんなの経験――歌とかラップとかトラックだけじゃなくて、ビジネスの体験とかアートの体験とか人生経験とか、そういうのを全部をみんなで出し合えてる。それがめちゃくちゃ強いなって感じるんですよね。しかも、お互いに任せられる。「助けて」って言えるから。

――それも大きいでしょうね。

☆Taku:そうなんです。まあ、結構、俺は甘えてること多いですけど。「ごめん! お願い!」みたいな(笑)。

――今後のm-floの行方も気になるところなんですが、この体制でアルバム制作まで行くんですか?

☆Taku:まだ決まってないんですよね。これからその辺は話す感じです。けど曲は作ってますから、いっぱい。

LISA:曲はあるよね。あるので……ねぇ?

☆Taku:「それを形にしなさいよ」オーラを感じたけど?(笑)。

LISA:遅いからねぇ、2人は。

VERBAL:LISAが早すぎるんだよ(笑)。

LISA:さあさあ、ほらほら、Hurry up! Hurry up!(笑)。

(取材・文=猪又孝/写真=林直幸 )

m-flo『the tripod e.p.2』

■リリース情報
『the tripod e.p.2』
発売:3月7日(水)
価格:CD+DVD ¥2,000+税
CD only ¥1,200+税
<CD収録内容>
・No Question
・never
他収録

<DVD収録内容>
・「No Question」MV
・「never」MV
他収録

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