E-girls、ドラマ『きみ棲み』主題歌で挑戦した“妖しげな世界観” グループは新たな可能性を掴むか?

E-girls『Pain, pain』

 2018年1月期放送のドラマも中盤に突入。物語の行方を左右するような波乱の展開がそれぞれ巻き起こる中、今期、初回放送から衝撃的なストーリー展開で話題を呼んでいるのが『きみが心に棲みついた』(TBS系・毎週火曜夜10時)だ。

 同ドラマでは、吉岡里帆が小川今日子(キョドコ)役で連ドラ初主演を務め、桐谷健太演じる吉崎幸次郎、向井理演じる星名漣との三角関係の模様を描いたラブストーリー。漫画雑誌『FEEL YOUNG』で連載中の天堂きりんによるコミックの実写版である。自分に自信がなく人前で挙動不審になってしまう今日子が、吉崎と恋に落ち、自分を変えていこうとする。しかし、過去から続く星名の異常な束縛が今日子の変化を阻んでいく……といった物語だ。“熱い男”の吉崎と“冷酷な男”の星名、対極的な二人の男の間で揺れ動く今日子に対し、放送時間帯にはネット上で多くの感想が飛び交っている。視聴者ははっきりしない“キョドコ”の言動にやきもきしながらも、愛情と狂気が入り乱れるスリリングな展開に惹きつけられてしまうのだ。

 そんな各回の放送を盛り上げているのが、E-girlsが歌う主題歌「Pain, pain」と挿入歌であるBiSHのアイナ・ジ・エンドをボーカルに迎えたMONDO GROSSO「偽りのシンパシー」だ。「偽りのシンパシー」は劇中の絶妙なタイミングに流れることで視聴者の心を揺さぶり、「Pain, pain」はその先の展開に注目が集まる終盤を飾る。告知CMなどで使用されていることもあり、「Pain, pain」はドラマを見ていない人々にも馴染みあるメロディではないだろうか。

 <禁断の花園で咲いてしまった私/実りはしない 恋だって構わない>というサビのフレーズからもわかるように、「Pain, pain」はドラマの内容にリンクして書き下ろされた楽曲。ボーカルの鷲尾伶菜、藤井夏恋、武部柚那が歌い上げる緊張感あるメロの後に、解き放たれるような華やかなサビが現れるのが印象的だ。現在公開されているMVのショートバージョンでは、独創的かつカラフルな衣装をまとったメンバーたちのソロパートと、モノクロで統一された空間でアグレッシブな踊りを見せる全員のダンスパートが交互に登場し、妖しげな世界観が表現されている。

E-girls / Pain, pain (Music Video) ~歌詞有り~

 楽曲のインパクトもさることながら、この曲をE-girlsが歌っているという事実に驚いた人もいるかもしれない。E-girlsと言えば「Follow Me」や「ごめんなさいのKissing You」など、王道ガールズポップ路線を得意としてきたグループだからだ。しかし、昨年6月、E.G.familyプロジェクト始動に伴った11人の新体制以降、一糸乱れるダンスパフォーマンスが見どころの「Love ☆ Queen」、壮大なサウンドスケープによる爽やかな応援歌「北風と太陽」、<私たちは今までいくつの大切な思いを、私を、殺してきたのだろう>という印象的な語りから始まるバラード「あいしてると言ってよかった」と、サウンド・歌詞ともにこれまでとは異なるタイプに挑戦している。同曲もその延長に位置付けられる新鮮なテイストであり、特にボーカル3人の表現力がフィーチャーされている。

 『きみが心に棲みついた』の物語には、“自分を変えることで幸せを掴むことができるのか”という一つのテーマが課されている。E-girlsも「Pain, pain」のような曲調へのトライを経て、グループとしての新たな可能性を掴むことはできるのだろうか。

(文=宮澤紀)

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