グループ間の悲喜こもごもが顕著 2017年下半期ハロプロ重大ニュースを振り返る
2018年になって早くも1カ月を過ぎたが、このタイミングで、ハロー!プロジェクトの昨年2017年7月~12月の下半期における重大トピックスを選考し、その半年間に何があったのかを振り返ってみようと思う。
(上半期については、以前執筆した記事「Buono!、℃-ute、嗣永桃子の三大公演と新体制 2017年上半期ハロプロ重大ニュースを振り返る」をお読みください)
まずは重要と思われるトピックスを時系列順に10個挙げていく。なお、関連する項目はひとつにまとめた。また、厳密にはハロプロではないアップフロント系グループなども、ハロプロ関連と捉えて選考の対象に含める。
【01】07.06[こぶしファクトリー]藤井梨央が脱退
2017年春から大学に入学し、アイドルと大学生の並行活動をしていた藤井。しかし、学業に専念するためこぶしファクトリーを卒業するという発表が5月12日にあった。その時は夏のハロプロコンサートまで、つまり8月末頃に卒業という予定だった。だが、それよりも前の7月6日に発表されたのは、「藤井本人に関してハロー!プロジェクトのルールに反する事案が発覚しました。」「弊社としても責任あるマネージメントを継続することが困難と判断し、」「藤井梨央との専属マネージメント契約を終了」という内容だった。
モーニング娘。をはじめとしたハロプログループでメンバーが抜ける場合、さよならコンサートやイベントといった本人とファンがけじめをつけられる場を設ける「卒業」と、スキャンダルや不祥事などによりそういう場が設けられないまま突如いなくなってしまう「脱退」の二種類のパターンに大別できる。藤井の場合は、「卒業」の場が設けられていたにもかかわらず、その前に「脱退」に至ってしまったという、ハロプロの歴史上珍しいケースだった。
【02】07.25[Juice=Juice]宮本佳林、「機能性発声障害」のため休養(08.31復帰)
新メンバー2名が加入し、7人体制になったJuice=Juice。7月15日のハロプロ夏コンサート初日の大阪で7人体制が初お披露目となり、新曲「Fiesta! Fiesta!」も初披露されて前途洋々だったのだが、その直後よりメンバーの宮本佳林が声の不調を訴えはじめて、ライブではダンスパフォーマンスのみ参加という状態が続いた。
そして医師に「機能性発声障害」という病気だと診断され、ライブやラジオ収録などの声を使う仕事をお休みすると発表されたのが7月25日のことだった。ちなみにこの日は吉祥寺CLUB SEATAで単独ライブがあり、7人のJ=Jを東京で初めて観ることができる日でもあったのだが、それもお預けという形になってしまった。
この時点で既にJ=Jは9月より海外ライブツアー、そして11月には日本武道館での単独公演の予定が組まれていたので、それまでに宮本が復帰できなければ6人で以降のスケジュールをこなすというケースも想定されていた。しかし本人の頑張りもあったのか、8月31日の横浜Bay Hallでのライブから復帰することができ、海外ツアーも無事7人で周り、武道館ライブも華々しく開催することができた。
【03】09.06[こぶしファクトリー]小川麗奈が卒業
7月4日より体調不良のため自宅療養していたが、医師により「不安神経症」と診断され、大事をとって8月中旬まで活動休止するという発表があったのが7月13日。しかし体調が安定せず、これ以上グループに迷惑をかけられないということで、卒業という結論に至ったのが9月6日だった。
公式発表では「卒業」という言葉が使われたが、7月4日以降、小川がファンの前に姿を現す機会はなく、卒業ライブ等が行われることもなかった。
【04】09.08[Juice=Juice]世界7カ国を巡るワールドツアー開催(~10.01まで)
『Juice=Juice LIVE AROUND 2017 ~World Tour~』と銘打たれた、J=Jの海外公演ツアー。9月8日のメキシコを皮切りに、10月1日まで約1カ月かけてイギリス、フランス、ドイツ、マレーシア、インドネシア、台湾の7カ国でライブが行われた。さらに12月12~17日にはペルー、チリ、ブラジルの3カ国4公演の南米ツアーも追加開催された。
これまでハロプロのグループでは、モーニング娘。がニューヨークや香港、℃-uteがメキシコやフランスなどで海外ライブを行った実績はある。しかしいずれも単発的なものであり、7カ国を巡る長期的なツアーは今回のJ=Jがハロプロ史上初のケースとなった。
【05】09.08[カントリー・ガールズ]稲場愛香が活動再開
カントリー・ガールズのメンバーで北海道出身の稲場愛香が、上京してアイドル活動を続けていくうち、持病の喘息が悪化し、活動を休止することを発表したのは2016年4月28日のことだった。そして同年8月4日、これ以上グループに迷惑をかけられないということで、カンガルからの卒業が発表された。ただしアップフロントでの籍は残り、今後の活動の可能性を探っていくというアナウンスがされていた。
そして2017年9月8日、活動再開の報が流れた。出身地である北海道札幌市を拠点として芸能活動を続けていくことになったのだ。同地にはアップフロント札幌支社があり、ハロプロ研修生北海道が活動しているので、その「リーダー的役割」を担当することにもなった。言ってみればカントリー・ガールズにおける嗣永桃子、つばきファクトリーにおける清水佐紀のような立ち位置と思われる。
また、今年2018年1月からのハロプロコンサートにも出演しており、ハロプロ公式サイトのアーティストページにも掲載されるようになった。一度卒業したメンバーがまたハロプロ内へカムバックするというのは、ハロプロ史上においても極めて珍しいケースだ。