嵐はなぜ10~20代のファンを獲得し続ける? 「好きなアーティストランキング」から考える

 オリコンが年末の恒例企画「第14回 音楽ファン2万人が選ぶ“好きなアーティストランキング」を発表。総合TOP50には1位Mr.Children、2位宇多田ヒカル、そして3位には嵐の名前が並んだ。

 このランキングはOMR(オリコン・モニターリサーチ)会員へのアンケートを元に独自集計したもの。世代別ランキングも発表されており、10代の1位はback number、2位は嵐、3位はAAA、20代の1位は嵐、2位はBUMP OF CHICKEN、3位は宇多田ヒカル、30代の1位は宇多田ヒカル、2位はMr.Children、3位はB'z、40代の1位はB'z、2位はMr.Children、3位は宇多田ヒカルという結果となった。

 今年デビュー25周年を迎え、ベストアルバムのリリースやドラマ『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命』(フジテレビ系)の主題歌として「HANABI」が再評価されたMr.Children、2016年のアルバム『Fantôme』を機に本格的な音楽活動を再始動させた宇多田ヒカル、それぞれ長年の活動における一つの波が訪れたタイミングでもあり、今回のランキング結果はまさに妥当と言える。一方、昨年の「好きなアーティストランキング」にて7年連続総合首位を達成した嵐は2ポイントダウン。しかしながら、世代別に見てみると20代部門の1位は8年連続という快挙を成し遂げ、さらに10代、20代、40代(6位)と幅広い層から多くの支持を集めているという点では、彼らの他に右に出るものはいないだろう。

 特に、デビュー20周年に迫るキャリアの彼らが10代、20代からの人気を獲得し続けているということは、音楽シーン全体で見てもかなり稀なことである。多くの場合はアーティストとともにファンも年を重ねていくため、活動歴が長くなるほど支持層の年齢もあがる。しかし、嵐の場合は往年のファンに加え、若年層の新規ファンも着実に獲得している。それは彼らがテレビや映画はじめ、多方面でマルチに活躍していることはもちろん、今年リリースされたアルバム『「untitled」』でも体現されたように、常に貪欲に新しいグループ像を打ち出し続けている成果でもある。

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