Perfumeはなぜ1万kmの距離を超えてパフォーマンスできたか? NTTドコモによる通信技術に注目

Perfume空間超えパフォーマンスの進化

 もちろんこのパフォーマンスが実現したのは、Perfumeの3人の血の滲むような努力による一糸乱れぬダンスがあってこそのもの(3人はパフォーマンス時、他のメンバーの映像を見ていなかったというから驚きだ)。しかしさらに注目したいのは、今回使われていた通信技術だ。超高速・大容量・低遅延通信の実現を目指す5G回線、そしてNTTドコモが開発した低遅延メディア同期技術・Advanced MMTを使うことにより、高画質の映像を東京ーロンドン、東京ーニューヨークの約1万kmの距離を伝送していたにも関わらず、映像間に発生した遅延はわずか50ミリ秒(500分の1秒)だったという。またNTTが開発中のイマージプレゼンス技術・Kirari!も使用し、3人の音声や映像を同期させたそうだ(参考:Perfume×docomo FUTURE-EXPERIMENT VOL.01 距離をなくせ。の技術的な裏話)。その結果、まるで同じ場所にいるかのようにシンクロして踊る姿を見ることができた。

docomo FUTURE-EXPERIMENT VOL.01距離をなくせ。

 今回、指一本のズレすらなく踊るPerfumeのパフォーマンスにより、5G回線やMMTといった通信技術が映像や音声の遅延をいかに少なくできるかを証明できたとも言える。NTTでは今後も5Gの特徴を生かせるようなコンテンツを提供していくとのことで、FUTURE-EXPERIMENT VOL.02は東京パラリンピックの1000日前イベントで行なうことを想定しているそうだ。今後もVOL.03、04、05……と続いていくFUTURE-EXPERIMENT。今回のような実験的な取り組みを経て、ライブパフォーマンスやライブビューイングに使われるテクノロジーはさらなる進化を遂げていくことだろう。

(文=村上夏菜/写真提供=docomo FUTURE-EXPERIMENT VOL.01距離をなくせ。)

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