Beverlyの歌声に宿るスペシャルな魅力ーーシンガーとしての対応力と熱意を読み解く
ドラマのほかにも、「Sing my soul」が日テレ RESORT seazoo2017のイメージソングとして使われたり。「Tell Me Baby」がカラオケボイスドリンクのCMに使われたり。「Never Ever」がテレビ東京系列『たけしのニッポンのミカタ!』のエンディングテーマ曲に使われたり。Beverlyが日本での活動を本格化させた今年に入ってからだけでも、こうして様々な番組やCMなどに彼女の歌が使われているわけだが、それは一体どうしてなのか。単にエイベックスの宣伝力が強いというだけではない、その歌声そのものが持つ強い力があるはずなのだ。じゃあ、それはなんなのか。彼女にしかないスペシャルな魅力、特性とはどういうものなのか。それを考察してみたい。
まずは彼女のプロフィール的なところを記しておこう。Beverlyは1994年6月20日、フィリピンのカランバシティー生まれ。ビヨンセやホイットニー・ヒューストンに影響を受けてシンガーを志した。ボイスレッスンに通って歌唱力を磨き、2013年7月にはアメリカの「World Championship of Performing Arts」でボーカリスト・パフォーマンス最優秀賞を受賞。翌2014年2月にフィリピンの「National Commission for Culture and the Arts」で“Harvest of Honors”賞を受賞し、さらに同年9月には「A Song of Praise Music Festival Year 3」で最優秀演出賞を受賞した。その後彼女は、フィリピンの有名作曲家であるベニー・サトルノ氏に師事。本格的な歌唱トレーニングを重ねたのち、2016年に日本に移住した。
エイベックス主催『a-nation』のシューティングアクトに抜擢されたのは2016年8月のこと。そして同年11月にリリースされたディズニーのコンピレーションアルバム『Disney Magical Pop Christmas』(フレッシュな注目新人たちがディズニーの名曲を歌ったもの)に3曲で参加し、12月には自身名義の初作品『Tell Me Baby EP』を配信リリース。2017年に入ると先の『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』主題歌「I need your love」で着火し、そのインパクトが功を奏して5月リリースの1stアルバム『AWESOME』はたちまち5万枚を超えるヒットに。7月には「レコチョク 上半期ランキング2017」新人アーティストランキング1位を受賞し、8月にはなんとアリアナ・グランデの来日公演『デンジャラス・ウーマン・ツアー』のサポートアクトに抜擢されて大勢の観客たちに力強いパフォーマンスを印象づけたのだった。
さらに、9月には小室哲哉と浅倉大介の新ユニットPANDORAにフィーチャリングボーカルで参加。EDM調のその曲「Be The One」は『仮面ライダービルド』の主題歌となり、一段とファン層が広がることに。10月には2016年に続いて再びディズニー楽曲のコンピレーション盤『Thank You Disney』にも参加した。また11月15日に発売となる村上佳祐のアルバム『Beautiful Mind』で、そのうちの1曲「RED」を村上とデュエット。まさに引く手あまたの状態であり、しかもそのジャンルと参加の仕方が非常に多様であることが面白い。加えて書いておくと、これまでBeverlyは実に様々なイベントやフェスに出演。大規模な音楽フェスもあるが、例えば神宮外苑花火大会、みなと横浜ゆかた祭り、名古屋城夏祭りといった「お祭り」にもフットワーク軽く出演し、どこでも必ず最大限に気持ちのこもった歌唱を披露している。