乃木坂46、ユニゾン、大原櫻子、夜の本気ダンス、Anly……最新シングルにこめられた“意図”を探る

夜の本気ダンス『TAKE MY HAND』

 スタートした瞬間にトップスピードに達するアグレッシブなビート、シャープな切れ味によって楽曲をドライヴさせるギターリフ。ポップに振り切った前作『SHINY E.P.』に続く夜の本気ダンスの2017年第2弾シングル『TAKE MY HAND』は、このバンドの核の部分を取り出し、さらに進化させたかのようなダンサブルなロックナンバー。海外のインディーロックとリンクしたサウンドメイク、きわめてスタイリッシュなムードを含め、「この曲を聴けば、夜の本気ダンスがわかる」と断言できるような楽曲に仕上がっている。尖りまくったこの曲が地上波のドラマ(フジテレビ系ドラマ『セシルのもくろみ』)の主題歌になっているのも痛快。本格的なブレイクのきっかけになることを切に願う。

夜の本気ダンス "TAKE MY HAND" MUSIC VIDEO (YouTube version)
Anly『北斗七星』

 初出演の『FUJI ROCK FESTIVAL '17』でも披露された6thシングル表題曲「北斗七星」は、Anlyが高校生のときに書いたミディアム・バラード。天国にいる兄を思い(自分に兄がいたことを彼女が知ったのは、小学校4年のときだという)、両親の悲しさを和らげたいと願いながら生み出されたこの曲には、アコースティック楽器を軸にしたオーガニックな音像、美しいブルース・フィーリングを感じさせるメロディ、豊かな感情が込められたボーカルなど、シンガーソングライターとしてのAnlyの本質がしっかりと宿っている。悲しみを乗り越え、大切な人たちとの温かい絆とともに前向きに進もうとする意志が伝わる「北斗七星」によって、彼女の豊潤な音楽性はさらに幅広いリスナーに浸透することになりそうだ。

Anly 『北斗七星』Music Video

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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