Dragon Ashは常に“ステージの上”で生きてきた デビュー20周年、今夜Mステ初出演!

 Dragon Ashのライブにおいて、まず目を引くのはダンサーふたりの存在感だろう。DRI-VとATSUSHIが正式メンバーとして加入したのは2003年。当時から今に至るまで、ロックバンドのメンバーとしてダンサーがいるというのは、なかなか珍しい。今では“振り付け”としてライブでオーディエンスとともに踊ったりするバンドが増えてきた印象だ。しかし、Dragon Ashのステージにおける「ダンス」がもたらすのは、一体感ではなく、むしろひとりひとりの心や身体の解放である。優雅に踊り、時にフロントで激しいヘッドバンキングを誘うふたりの動きは、Dragon Ashのライブにおける“自由”を象徴している。

 そして、そのすべてを率いて中央で歌うKj。2015年は降谷建志としてソロ活動も始めパーソナルな一面も見えた楽曲を発表したが、“Dragon AshのKj”としてステージに立つ時には、何か大きなものーーバンドの歴史やフロントマンとしての自負、メンバーからの信頼、そしてファン、シーンの期待などーーを背負っているように見える。そのすべてと対峙し、強いフィジカル性を持って、己をさらけ出すような壮絶ステージは、何にも代えがたい鮮烈な体験だ。

 Dragon Ashは何を思ってMステのステージに立つのだろうか。放送前の今、Dragon Ashの面々は今回の出演に関して、特にコメントは出していない。番組でどういう紹介がされるのか、そしてKjは何を言うのか、あるいは何も言わないのかーーどちらにせよ、Dragon AshのMステ出演は、ポジティブな何かをバンドにも視聴者にも与えることは間違いないだろう。デビューから20年、Dragon Ashというバンドがどう生きてきたのか。その生き様は、テレビを通してもきっと多くの人に伝わるはずだ。

(文=若田悠希)

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