LOUDNESS、アメリカ入国拒否の影響は? 現役ミュージシャンが語る、日本人の海外ライブ事情
一方、海外のアーティストが日本でライブを行う場合は“就業ビザ”が必要となる。外務省のホームページによれば、就業ビザの“興行ビザ”という区分が該当する。前述のミュージシャンは、日本のビザを取得できなかった海外バンドの例を挙げた。
「かつてフィンランドのメタルバンドがライブ公演で日本を訪れた際に、ビザを取得していなかったため、入国を止められかけたことがあります。ただ、そのバンドは報酬をもらわないという条件で入国、お金を取らないフリーライブをすることでツアーを続行しました」
各国によって基準が違うため一概には言えないが、日本を含めて、ビザの審査が厳しいのはアメリカに限った話ではなさそうだ。
今回の報道を受けて、「就労ビザを意識するバンドが増えるのではないか」と同氏は指摘。「例えば、出演キャンセルに伴う損害賠償、ツアー中に宿泊するホテルや交通手段のキャンセル料など、ツアー中止に伴う被害は甚大です。規模感や知名度にもよると思いますが、バンド側も“他国でライブを行う”ということを、よりシビアに捉えていく必要があるのかもしれません」と語った。
これまでは、バンドの知名度やその国々によって基準の緩さがあるため、ビザを取らずに海外公演を行うバンドは少なくなかった。しかし、今回の報道で入国できないリスクが明らかになった今、特に米国で一定規模のツアーを行う場合、ビザ取得は必須のものとなりそうだ。
(文=泉夏音)