山村隆太月9出演から新作『ラストコール』まで...flumpoolが考える、バンドの“リノベーション”

「泥臭い部分をもっともっと見せていくつもり」（山村）

ーー振り返ってみれば、flumpoolにはいろんな試練がありましたよね。それこそ、「思い出したくない過去」もあるのでは。

小倉：いろんな壁がありましたよね。でも、壁に対して「楽しい」と思いながらぶつかっていくのと、「苦しい」と思いながらぶつかっていくのだったら、楽しんだ方が絶対にいい。自分だけじゃなくて、メンバーもハッピーになれますしね。

阪井：最近思うのは、僕は「辛い」方が燃えるんだなってこと（笑）。ハッピーになると、本当にダメ人間になっていくタイプ。追い込まれないと頑張れない。締め切りもなにもないときは、絶対俺曲作らない（笑）。

ーーそれって「辛い状況を楽しんでる」という意味では小倉さんと同じですよね。

阪井：確かに（笑）。

尼川：僕は辛いことからは逃げ出すタイプですけどね……（笑）。

ーー（笑）。本作は、いつ頃から作り始めましたか？

阪井：昨年、アルバム『EGG』をリリースして、それを引っさげてのツアーが終わった後ですね。夏に「FREE YOUR MIND」を作った後に取りかかりました。今回は映画の主題歌だったので、その辺りを意識しつつ、サウンドプロデューサーの百田留衣さんと相談しながら。特に今回、ストリングスを大々的にフィーチャーしているんです。今までも僕ら、ストリングスを入れることは多かったんですけど、ここまでアレンジの中心で鳴らしたことは実はあまりなくて。かなりスケールの大きな楽曲に仕上がったと思いますね。それも、映画のイメージに寄せたいという気持ちから生まれたアイデアです。

ーーどの曲にもストリングスが入っていて、そのドラマティックな展開がとても印象的です。

阪井：もともと、ストリングスとバンドサウンドの融合は僕らの「武器」でもあったんですが、自分が宅録をやるようになって、アイデアがものすごく広がった部分もある。それを、自分たちだけで仕上げていくことができるのも、宅録の良さだと思うんですよね。それで、何か今までとは違う、新しいものが出来る自信にもなりました。

ーー「ラストコール」と「ナミダリセット」に百田留衣さん、「キズナキズ」に亀田誠治さんがアレンジャー、サウンドプロデューサーとして加わっています。

阪井：百田さんは、僕らが出したアイデアに対して、それを覆してでも別のアイデアを推してくることもあります。もちろん、それは楽曲をより良くするためだし、僕らもそれを信頼しているのでずっと一緒にやっているんですけど。亀田さんは、基本的にバンドがやりたいようにやらせてくれて、迷った時に軌道修正してくれる感じですね。

ーー今回のシングルで、新たに試みたことなどありましたか？

阪井：「キズナキズ」は、NHK『みんなのうた』のための曲ということもあったので、分かりやすいメロディと曲調にしましたね。あまり気負ったり難しいことを考えたりせず、アコギ1本で作った曲です。最近はあまりこういうタイプの曲って作っていなかったし、ちょっと路上ライブの時のこととか思い出して懐かしくなりました。

ーー5月の武道館2DAYSへの意気込みを聞かせてください。

山村：3度目の武道館ということで気合いも入っていますし、来年のデビュー10周年に向けて、弾みになって欲しい。すごく大事なライブだと思っています。

ーー武道館って、やっぱり特別なハコという気がしますか？

山村：武道館って、昔はそれこそ「聖地」と言われていたかもしれないですけど、ちょっと変わってきたと思うんですよね。見ている側からすると、それほど特別なものじゃないのかもしれない。その辺は、やる方とギャップがあるのかも。なので、あまり僕らの方で武道館を「聖地」みたいに崇めすぎるのも、ちょっと違うのかなと。

ーーなるほど。

山村：もちろん、自分たちが上京する時には「いつか武道館でやります！」ってみんなに約束したのは事実ですからね。それに、武道館には苦い思い出もある。僕ら今回で3度目の武道館なんですけど、1度目の時なんか、「自分たちが武道館に立つ資格なんて全然ない」、「思い描いていた理想のバンドとは程遠い」と思っていて。すごく辛くて悔しい思いを、舞台裏ではしていたんですよ。さっきの話じゃないけど、そういう「過去」をなかったものとするのではなく、ちゃんと引き受けながら今回3度目の挑戦をしたい。

ーー過去のflumpoolを捨て去るのではなく、現在のflumpoolで塗り替えていくようなイメージ？

山村：そうですね。“スクラップ＆ビルド”じゃなくて“リノベーション”。もともとあるのものを活かしながら、そこに新たな価値を加えていくというか。今、古民家を活かしたカフェとかありますもんね。人がいなくなった村に絵を描いて観光地にするとか。そういう使い方って、色んなものが消費されていく現代で、すごく大事だと思うし。ここから先、新たな価値を生み出していくというのは大事なことなのかなと。

ーー今回の「ドラマ出演」も武道館公演も、flumpoolに新たな価値をつけるきっかけになりそうですしね。

山村：いいライブを行うことで、僕らが武道館に新たな価値をつけられたら最高ですよね。

阪井：前回の『EGG』ツアーでは、演出や音にもすごくこだわったライブができたので、今回もそういうライブができたらいいなと思いますね。

山村：flumpoolって、良くも悪くも「優等生」というか、順風満帆でやってきたっていう風に思われていて、そのイメージがなかなか払拭できなかったんですよね。もちろんファンは、僕らの試練を知ってくれていると思うんですけど、表にはあまり伝わってなかったのかなと思うんです。今後は自分たちが失敗したり葛藤したりしている姿を、どんどんさらけ出していきたい。

ーーおお、そうなんですね！

山村：30代になると、失敗する姿とかあまり見せたくなくなってきますよね。月9の現場で怒られている様子とか、テレビに映っているとすごく恥ずかしいし……。でも、そういう「見せたくないところ」を見せていくほうが、もっと共感を持ってもらえるんじゃないかなと思うんですよ。これまでのflumpoolの見え方とのギャップにもなりますしね。汗かいているところ、泥臭い部分をもっともっと、見せていくつもりです！

（取材・文＝黒田隆憲／写真＝下屋敷和文）

■リリース情報
『ラストコール』
発売：3月22日（水）
【初回限定盤 CD+DVD】
価格：2,000円（税抜）

＜CD収録内容＞
M-1 ラストコール -映画「サクラダリセット」主題歌-
M-2 ナミダリセット -映画「サクラダリセット」後篇エンディングテーマ-
M-3 キズナキズ -ＮＨＫ「みんなのうた」2017年2-3月-
(BONUS TRACK　ALL BONUS TRACKS from flumpool COUNTDOWN LIVE 2016→2017 「FOR ROOTS」～シロテン・フィールズ・フォーエバー～）
M-4 花になれ
M-5 MW 〜Dear Mr. & Ms. ピカレスク〜
M-6 大切なものは君以外に見当たらなくて

＜特典DVD内容＞
「flumpool COUNTDOWN LIVE 2016→2017 「FOR ROOTS」～シロテン・フィールズ・フォーエバー～@大阪城ホール Special Live Digest & Making of Live」
カウントダウンライブで初披露となった、新曲「ラストコール」や、本公演のテーマソングでもある、「ムーンライト・トリップ」を含むflumpool COUNTDOWN LIVE 2016→2017 「FOR ROOTS」～シロテン・フィールズ・フォーエバー～@大阪城ホールのLIVE映像ダイジェストに加え、ライブ当日の本番前と本番後のメンバーインタビュー、ライブ前日にデビュー前にストリートライブを行っていた思い出の地を巡り、サプライズで城天（大阪城公園）でストリートライブを敢行した映像などを盛り込んだライブドキュメントを収録。ライブ映像には「FREE YOUR MIND」「輪廻」「花になれ」「MW ～Dear Mr. & Ms. ピカレスク～」「未来」「ムーンライト・トリップ」「ラストコール」「大切なものは君以外に見当たらなくて」「MY HOME TOWN」が約50分に渡り収録。

【通常盤 CD】
価格：1,200円（税抜）

＜CD収録内容＞
M-1 ラストコール -映画「サクラダリセット」主題歌-
M-2 ナミダリセット -映画「サクラダリセット」後篇エンディングテーマ-
M-3 キズナキズ -ＮＨＫ「みんなのうた」2017年2-3月-
M-4 ラストコール (Instrumental)
M-5 ナミダリセット (Instrumental)
M-6 キズナキズ (Instrumental)

■店頭キャンペーン情報
flumpool×TOWER RECORDS
『flumpool“ラストコール”スペシャルインストアライブ』
 4月7日(金)　OPEN 19:00／START 19:30 (予定)
会場：タワーレコード渋谷店 B1 CUT UP STUDIO

＜キャンペーン詳細・参加方法＞
（1）タワーレコード渋谷店で予約・購入
渋谷店にて、商品入荷以降、3月22日発売『ラストコール』購入者に先着で「抽選会参加券」を配布
↓
タワーレコード渋谷店店頭で実施されるflumpool『ラストコール』店頭DAYに「抽選会参加券」持参して抽選会に参加
日時：3月25日（土）・26日（日）10：00～20：00
会場：タワーレコード渋谷店 1F エントランス
↓
抽選で300名を『flumpool“ラストコール”スペシャルインストアライブ』に招待
※商品の予約・取り置き分については「抽選会参加券」の取り置きは不可。入荷時以降に渋谷店にて購入者に先着で抽選券を配布。
※抽選券は購入枚数分配布。
 
（2）全国タワーレコードチェーンで予約・購入
渋谷店・タワーレコードオンライン以外での『ラストコール』予約・購入者に、
先着で「flumpool“ラストコール”スペシャルインストアライブ」抽選応募券を配布
↓
WEB応募抽選で100名を「flumpool“ラストコール”スペシャルインストアライブ」に招待
※この抽選応募券では、「ナミダリセット」賞として「flumpool直筆サイン入りハンカチを20名様にプレゼント」にも応募可能
※応募締切は3月26日（日）23:59まで、応募方法・当選発表については抽選応募券を参照のこと。
 
flumpool × TSUTAYA RECORDS
『flumpoolプレミアムトークイベント』
4月9日（日）14:00～・16:00～
会場：大阪市内某所
＜キャンペーン詳細・参加方法＞
全国のTSUTAYA RECORDS各店にて『ラストコール』を予約・購入者に先着で「flumpoolプレミアムトークイベント」抽選応募券を配布
↓
抽選で200名を「flumpoolプレミアムトークイベント」に招待（抽選応募券はなくなり次第終了）
※この抽選応募券では、「ラストコール」賞として「flumpoolメンバー音声入り目覚まし時計」抽選で 20名様にプレゼント!!」にも応募可能
※応募締切は3月26日（日）23:59 まで、応募方法・当選発表については抽選応募券を参照のこと。 
 
＜CDショップ先着購入特典＞
・タワーレコード (オンライン除く)、TSUTAYA RECORDS「“ラストコール”オリジナル　ポスター」
・Amazon「“ラストコール”オリジナル　ICカードステッカー」
・タワーレコードオンライン　「“ラストコール”オリジナル　クリアファイル」
・一般CDショップ、アスマート「“ラストコール”オリジナル　ポストカード」
※特典は「先着」となり、数に限りあり。一部の店舗、ECサイトでは特典が付かない場合あり。予約・購入時は、特典の有無を必ず店頭、ECサイトで確認のこと。

■ライブ情報
『flumpool 8th tour 2017 Beginning Special「Re:image」at NIPPON BUDOKAN』
～ラストコール～5月20日（土）17:00開場 / 18:00開演
～ナミダリセット～5月21日（日）16:00開場 / 17:00開演
会場：日本武道館
チケット料金：6,500円（税込・全席指定）
チケット先行：official fan club INTERROBANG 年会費会員抽選先行
【受付期間】1月13日（金）13:00 ～ 1月23日（月）18:00
official fan club INTERROBANG 月額会員抽選先行
【受付期間】1月27日（金）13:00 ～ 2月2日（木）18:00
チケット一般発売：4月22日（土）AM10:00 〜
※4歳以上 チケット必要 ・3歳以下 入場不可 ・1人4枚まで

flumpool オフィシャルサイト
『ラストコール』特設サイト
全国ツアー『flumpool 8th tour 2017 「Re:image」』特設サイト
日本武道館公演特設サイト
映画「サクラダリセット」公式サイト
山村隆太 出演 フジテレビ系月9ドラマ 『突然ですが、明日結婚します』公式サイト