flumpool、今後の「アジア進出」の行方は? インドネシアでも楽曲提供
2008年10月にダウンロードシングル「花になれ」でデビューし、今年で5周年を迎えたflumpool。今年5月にはデビューからの5年間の軌跡を凝縮したベストアルバム『The Best 2008-2014「MONUMENT」』をリリースした。
5年間には、『ブラッディ・マンデイ』『君に届け』などのドラマ、映画主題歌への楽曲起用や、デビューからわずか1年という早さでの日本武道館2daysワンマン実現、NHK紅白歌合戦に2009年から3年連続で出演を果たすなど、今や若手を代表するロックバンドの一つとして活動を続けている。
そのflumpoolが初の台湾での単独公演を2013年に行い、先日のライブレポート「Mayday香港公演レポート――『Do You Ever Shine?』初披露、flumpoolのサプライズ出演も」でも伝えたように、5月29日に行われたMaydayの香港公演のアンコールにサプライズで出演し、香港での初ライブも経験した。過去にはシンガポールのイベントにも出演したflumpoolの今後のアジア進出について考察したい。
彼らが初めて経験した海外でのライブは、2011年10月に台湾の高雄にて開催されたロックフェス『SUPER SLIPPA PART2』。このフェスは、香港で共演したMaydayがヘッドライナーを務めており、これをきっかけに、flumpoolの武道館公演にMaydayが出演したり、映画『おしん』の主題歌になった「Belief ~春を待つ君へ~」でのコラボレーション、flumpoolの楽曲「証」を「証明」という楽曲でボーカル阿信が中国語で作詞するなど、両者は親交を深めていった。中華圏で絶大な人気を誇るMaydayと交流することにより、現地で知名度を上げていき、昨年2013年には台湾2daysワンマンライブを開催している。
Maydayの香港公演に出演したライブでは、ボーカルの山村隆太がMCで「日本にいた時からたくさん映画やテレビで香港のことを知っていて、香港に来たかったんです。その時から、香港は好きだったけど、今は香港をとても愛してます。みなさん、Mayday、ありがとうございます」と、全編流暢な中国語で語っていたことも印象的だった。台湾での単独公演の際には、中華圏では「凡人譜(ファンゼンプー)」という名前で活動することも発表したり、その身につけた語学力を活かして今後、本格的にアジア圏で活動していくことも期待される。
山村は、「Maydayがきっかけになって、香港に来れてうれしい。でもMaydayが繋げてくれたお客さんと深く音楽で繋がれるかは僕たち次第。それがこれからの課題ですね。これを機にもっともっといろんなところでライブをしたいですね」と、初の香港公演を終えた後に語った。
そのflumpoolが、早速新たな海外活動をインドネシアで行うことがわかった。インドネシア最大手メディア財閥PT. Media Nusantara Citra Tbkと株式会社石森プロが共同制作したインドネシア初のオリジナル特撮ヒーロー番組『Satria Garuda BIMA-X(サトリア・ガルーダ・ビーマ エックス)』への楽曲提供が決定したとのことだ。同国で視聴者の大きな支持を獲得している番組だけに、flumpoolへの注目も高まるだろう。
現在開催しているツアー『flumpool 5th Anniversary tour 2014 「MOMENT」』では、7月25日、26日に台湾公演、8月2日にはシンガポール公演も予定されている。今回発表となったインドネシアでの展開のように、今後も活動の場をさらに広げていくことになるだろう。
(文=高木智史)