新譜キュレーション特別編:a flood of circle佐々木亮介
KOHH、Japandroids、チャンス……a flood of circle佐々木亮介がロック・ヒップホップ新譜を紹介
当サイトの人気連載企画「新譜キュレーション」。今回は、1月に新アルバム『NEW TRIBE』をリリースした a flood of circleの佐々木 亮介(Vo/Gt)に、最近よく聴いているというロックやヒップホップの新譜についてじっくりと語ってもらった。(リアルサウンド編集部)
KOHH「Die Young」(『DIRTII』収録)&Japandroids「Near To The Wild Heart Of Life」(『Near To The Wild Heart Of Life』表題曲)
最近はKOHHの「Die Young」のように、“ギターを弾かない人のギターの使い方”に興味があって。ギターをギターと思わない勇気を俺も持ちたいな、と考えちゃうこともあります。純粋にギターがカッコいいなと感じたのは、Japandroidsの新曲「Near To The Wild Heart Of Life」。若手~中堅だと最近はWhite Lungが孤軍奮闘していたところにJapandroidsが帰ってきて、まだまだ健在だなと。泣きのコード進行なので、日本のバンドが好きな人は多分好きだと思います。Japandroidsはドラムとギターの2ピースだから、ベースの分の音を補おうと低い音を出しているんですけど、ギターの高音も気持ち良い音だし、そこにさらに分厚いコーラスを入れているので、音が目一杯詰まっているんです。
チャイルディッシュ・ガンビーノ『Awaken, My Love!』
あと、最近はチャイルディッシュ・ガンビーノもよく聴いています。彼のことはこれまで詳しくは知らなくて、1つ前のアルバム『Because the Internet』は“ヒップホップの人”というイメージから入っていったんだけど、サウンドも声もキャラクターの幅が広くて。「なんでこの人、こんなに器用なんだろう?“憑依している”ような感じがするな」と気になってプロフィールを調べたら、俳優もやっている人だと後から知って納得。新しいアルバム『Awaken, My Love!』はより“憑依している”感じがありました。ラップすらしていないし、コードもあえて不安定なものばかり使っていて、前の『Because the Internet』から更に幅広くなっていて、どれが本当の彼なのかわからないところが面白いんです。
ジェイ・ソム「The Bus Song」(『Everybody Works』収録)
ジェイ・ソムという女性シンガーの「The Bus Song」は爽やかな曲で、声が可愛いんです。まだあまり知られていないアーティストなのですが、偶然見つけて衝撃を受けました。アコースティックな雰囲気から始まって、メジャーキーの曲だけど肝心なところにマイナーコードを使う感じにはWeezer的なエモさも感じます。どこか昨年にMitskiが出したアルバム『Puberty 2』に近い部分があるかもしれません。Mitskiに関しては「Your Best American Girl」の歌詞を見たとき泣きそうになりましたし、テレビ番組でBIGYUKIと一緒に演奏しているのを観て「日本人かっこいいところにいるなあ!」と。