2017年は映画・ドラマ派生ユニットがブームに? 『咲-Saki-』発5人組が届ける音楽の可能性

映画・ドラマ派生ユニットが持つ可能性

 彼女たちが2月1日にリリースする作品には、主題歌の「きみにワルツ」とカップリング曲で劇場版のエンディングテーマを務める「NO MORE CRY」を収録。「きみにワルツ」は、みみめめMIMIのユキが作詞作曲を手掛けており、彼女にとって初の提供楽曲でもある。

 みみめめMIMIは、2013年8月にデビューしたシンガーソングライターとイラストレーターの2人からなるユニット。これまで『君のいる町』、『山田くんと7人の魔女』、『きょーふ!ゾンビ猫』、『甘々と稲妻』、『AKIBA'S TRIP -THE ANIMATION-』など、数々のテレビアニメのオープニングテーマや挿入歌、エンディングテーマを担当しており、ユキ自身は「タカオユキ」名義で声優としても活動している。

 そんなユキが提供した楽曲「きみにワルツ」は、メンバー5人の伸びやかな歌声に合わせ、麻雀に打ち込む彼女たちの背中を押すようなアップテンポな楽曲に仕上がっている。<きみにワルツ 繋ぐメロディー 星が眠る五線譜で 続く未来は きみがくれたの ひとりじゃないソラ>というサビの歌詞では、楽曲を歌唱するメンバーが五線譜に象徴され、5人がそれぞれのパートを歌い繋いでいく様子が描かれているのも特徴的だ。

『咲-Saki-』清澄高校麻雀部「きみにワルツ」MV(short ver.)

 カップリング曲の「NO MORE CRY」は、D-51のカバーソング。かつて、ドラマ『ごくせん』(日本テレビ系)の主題歌として不良男子高校生たちの泥臭い青春ストーリーを飾った楽曲で、今回は同映画で描く女子高生たちの青春模様を鮮やかに彩る楽曲としてカバーされている。この選曲に懐かしさを覚え、キラキラした時代を思い起こすリスナーも多いのではないだろうか。

 映画、ドラマ作品から派生したユニットの楽曲リリースは、各作品に携わる俳優陣にとって初の試みであることがほとんどだ。しかし、それは決してネガティブなことではない。作品の話題性を高めるだけでなく、歌い手の一人ひとりが新たな一面を見せることができる機会として、今後の活躍の幅を広げることができるチャンスでもある。さらに、楽曲提供者であるアーティストにとっても自身の音楽性をさらに多くのクラスタへと届ける絶好の機会になる。互いの可能性をプラスに拡張できるこれらの取り組みから、さらなるヒットは誕生するのか。2017年の音楽シーンを観測する上で、一つの注目ポイントになりそうだ。

(文=大和田茉椰/写真提供=(c)小林 立/SQUARE ENIX・「咲」プロジェクト)

■リリース情報
『きみにワルツ/NO MORE CRY』
発売:2月1日(水)
価格:初回盤(CD+DVD)¥1,850+税
通常盤(CD)¥1,200+税
<収録曲(初回・通常共通)>
M1:きみにワルツ
(作詞・作曲:ユカ(みみめめMIMI)/編曲・サウンドプロデュース:CHRYSANTHEMUM BRIDGE)
M2:NO MORE CRY
(作詞:吉田安英/作曲:IKUMA/編曲:PRIMAGIC)
M3:きみにワルツ(instrumental)
M4:NO MORE CRY(instrumental)

<初回盤DVD収録内容>
・きみにワルツ Music Video
・きみにワルツ Music Video メイキング

初回封入特典:清澄高校麻雀部の個別トレーディングカード5種のうち1枚ランダム封入

CDショップ購入者特典
A賞:メインキャスト直筆サイン入り清澄高校ポスター10名様
B賞:清澄高校ポスタービジュアルのクリアファイル100名様
※専用応募ハガキにて抽選でプレゼント

iTunes / レコチョク

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『咲-Saki-』

■公開情報
『咲-Saki-』
2017年2月TOHOシネマズ 日本橋ほか全国ロードショー
監督:小沼雄一
脚本:森ハヤシ
出演:浜辺美波、浅川梨奈、廣田あいか、古畑星夏、山田杏奈、加村真美、樋口柚子、星名美津紀、吉崎綾、武田玲奈、岡本夏美、あの、大西亜玖璃、長澤茉里奈、山地まり、永尾まりや、柴田杏花、小篠恵奈、金子理江、菊地麻衣、長谷川朝晴、玉城裕規、佐野ひなこ、夏菜
原作:小林立(掲載「ヤングガンガン」スクウェア・エニックス刊)
(c)小林 立/SQUARE ENIX・「咲」プロジェクト
(c)Ritz Kobayashi/SQUARE ENIX

『咲-Saki-』実写化プロジェクト公式サイト

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