西野カナレコ大受賞曲手がけた作曲家・Carlos K.、他クリエイターも嫉妬するその手腕を読む

 西野カナの「あなたの好きなところ」が、昨年2016年に発表された第58回日本レコード大賞を受賞した。女性ソロ歌手としては11年ぶり、平成生まれの女性ソロ歌手として初の受賞であることに注目が集まっているが、大賞に選ばれた同曲の作曲者、音楽作家・Carlos K.も注目すべきクリエイターだ。

 過去にブラジルに渡り、そこで触れた音楽の影響を受けて、R&BやHIPHOPのトラックを作り始めたのが曲作りの原点というCarlos K.。初めてコンペで通過した『ヘルシアスパークリング』のCM曲から、遊助、Kylee、板野友美、AKB48関係の楽曲提供へと繋げてきた。

 アーティストにとって、初めてリリースする楽曲は、自身のイメージを決定づける大事な作品。Carlos K.が手掛けた板野友美のデビュー曲「Dear J」は、エレクトロサウンドが交錯するダンス・ナンバーで、彼女のクールな魅力をとてもよく引き出されていた。また、西野カナの「あなたの好きなところ」は、サビの3連符によるリズムの変化が特徴的で、ミュージカル調の楽曲「トリセツ」に次いで、西野カナの音楽イメージに新たな雰囲気を与えている。どちらもアーティストの個性を生かし、制作された楽曲である。

板野友美/Dear J (Music Video)
西野カナ 『あなたの好きなところ』MV(Short Ver.)

 彼は、以前インタビューでトラックメイカーをしていた頃に学んだことが今の楽曲作りに影響していると話していた。

「かなりビートを研究していて、どうやったら太いビートが作れるのかを突き詰めていました。キックの音だけを聴くようにして、レイヤーを重ねて音作りに励んだことは、後のキャリアにすごく役立ちました。それがあったうえで、もともとクラシックやテクノ、ハウスやJ-POPが得意だったので、メロディを付けるにあたってこれらの音楽性をミックスしてみたら、思っていた以上に好評でした」(参考:https://realsound.jp/2015/10/post-5062.html

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