三代目 J Soul Brothers 岩田剛典の快進撃は続くーー演技やダンスに活かされる努力の姿勢

 三代目 J Soul Brothers/EXILEのパフォーマー、岩田剛典の勢いが止まらない。初主演を果たした映画『植物図鑑』で、『第41回報知映画賞』の新人賞を受賞したのだ。これまでいくつかのドラマや映画に出演してきた岩田だが、主演を務めたのは『植物図鑑』が初。初主演で受賞とは、見事である。そして、これまで岩田が演じた役柄を振り返ると、演技の幅の広さを認めざるを得ない。代表的な作品を振り返ってみよう。

 まずは、受賞作品となった『植物図鑑』の日下部樹役。樹は、主人公・河野さやか(高畑充希)の前にある日突然現れた爽やかな青年だ。植物に詳しいということ以外は謎に包まれた人物で、実家との確執を抱えるという影も持っている。樹の爽やかな部分では、持ち前のキャラクターとキラースマイルを光らせ、どこか人を踏み込ませない雰囲気の部分では影のある表情を見せるなど、ギャップを上手く表現。原作者の有川浩も、「これ以上のキャスティングは無かった。(岩田は)チーム植物図鑑の王子」と絶賛していた。

 そして、EXILE TRIBEメンバーが多数出演した『HiGH & LOW』。一際目立つキャラクターだったコブラも、岩田の新しい一面が垣間見えた役である。コブラはギャングチーム「山王連合会」の総長。無口でクールな性格だが、仲間思いで正義感が強いキャラクターだ。『植物図鑑』の樹とは正反対の、どこか危うい雰囲気を持っている。いつもニコニコしている岩田の雰囲気からは想像がつかない。しかし、どっぷり役に浸かって切り替えをすることで、コブラというキャラクターを違和感なく演じることができている。

 また、12月16に最終回を迎えるの金曜ドラマ『砂の塔~知りすぎた隣人』(TBS系)の生方航平役も、岩田の演技力を磨いた役であろう。明るく爽やかな好青年という点では『植物図鑑』の樹に通づるところがあり、恋心を寄せる高野亜紀(菅野美穂)へ接する際に見せる優しさを表現する時は、繊細で丁寧な演技を見せてくれている。一方で、熱い一面や視聴者から「犯人は生方かも」と思わせる怪しさを何処か感じさせる演技もしており、役者・岩田剛典としてステップアップ出来た作品ではないだろうか。

 一見バラバラに見える岩田が演じた多様な役柄には、共通点がある。それは、岩田の努力によって成り立っているということだ。例えば、『植物図鑑』では、樹になりきることを大切にしていたとインタビューで語っていた。共演した高畑充希も「岩田さんはカメラが回っていないところでも樹に徹してくれて。本当に優しいんです。さやかのことを最優先に考えてくれて大切に接してくれるので(出展:http://www.cinemacafe.net/article/2016/06/02/40926.html)」とコメント。カメラが止まっているところでも、樹になりきる努力をし続けていたのだ。

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