NICO Touches the Wallsが築き上げたサウンドの“深み” 4人揃った「1125の日」レポート

NICO主催「1125の日」レポート

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光村龍哉(Vo./Gt.)

 「病気」で古村が再びギターをソウルフルに鳴らすと、それを引き立てるように対馬が叩くダイナミックなドラムのビートが重なっていく。行進して迫ってくるようなドラミングの迫力で始まった「アボガド」、「そのTAXI,160km/h」と続けて場内全体の高揚感を高めていく。その勢いをさらに増して、光村と古村のセッションで迎えた曲は「泥んこドビー」。<阪神戦が延長して 繰越の連ドラ たまにゃ野球もいいか むかえた9回裏 巨人2点リード 1死満塁逆転チャーンス>と歌った直後に光村が「あの当時はまだ、野球中継が9時24分で終わってしまってそのあとドラマが始まる、今はほとんどないからこの歌詞なんだかわからない人とか」と過去に自ら作詞した歌詞に対して「時の流れを感じる」と重ねて発言し、笑いが起こった。再び曲が始まると、これまでの雰囲気とは一変して観客の手が挙がり、光村がオーディエンスの元へ飛び込む場面も。会場の盛り上がりは最高潮に達し、本編の最後はスロウなナンバー「雨のブルース」を光村が伸びやかな歌声を響かせ締めくくった。

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対馬祥太郎(Dr)

 アンコールのMCでは、「あの暗い時代からこの10年間でどういう歩みをしてきたか証明したいと思います!」という光村の言葉のあとに、新曲「マシ・マシ」を披露。朗らかなサウンドと歌声がオーディエンスの笑顔を誘い、1年に一度しか演奏されない「1125のテーマ」を最後にライブはクライマックスを迎えた。

 “原点回帰”という意味ではなく、毎年恒例となっている“1125の日”をこれまで以上に楽しめる企画にしたいという気持ちから実現したインディーズ時代の2作品の再現ライブ。彼らは10年前の楽曲を「渋い」、最近の曲を「明るい」と表現していたが、今の彼らの精緻な表現力を持って披露された楽曲からは、バンドが築き上げて来たサウンドの奥深さが感じられた。発表されたツアーを含め、今後の活動でもNICO Touches the Wallsにしかないバンドの深みを感じさせてほしい。

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NICO Touches the Walls

(文=大和田茉椰/写真=上飯坂一)

NICO Touches the Walls 1125/2016
2016年11月25日(金)・赤坂BLITZ
■セットリスト
1.行方
2.壁
-MC-
3.梨の花
4.僕がいなくても地球はまわってる
5.幾那由他の砂に成る
6.プレイヤ
-MC-
7.病気
8.3年目の頭痛薬
9.アボガド
10.そのTAXI,160km/h
11.泥んこドビー
12.image training
13.雨のブルース
EN-1.マシ・マシ
EN-2.1125のテーマ

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