藤原さくらの音楽は新たなフェーズへーードラマ『ラヴソング』の余韻を残す新曲を聴いた

藤原さくら、『ラヴソング』の余韻を残す新曲を聴いた

 9月10日に東京・恵比寿ザ・ガーデンホール公演からスタートした藤原さくらの全国ツアー『藤原さくらワンマンツアー2016「good morning」〜second verse〜』の終盤、東京・EX THEATER ROPPONGI公演。フジテレビ系月9ドラマ『ラヴソング』(2016年4月〜6月)に出演したことをきっかけに知名度を大きく上げた彼女は、1stアルバム『good morning』の収録曲、シングル「Soup」など18曲を披露。深みを増したボーカル、凄腕のミュージシャンたちとのオーガニックな演奏、そして、彼女自身の素顔が感じされるステージングによって、幅広い年齢層の観客を魅了した。

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 ホワイトとシルバーを基調にした衣装に身を包んだ藤原さくらがステージに登場した瞬間、「さくらちゃーん!」「かわいい!」という女の子の声が飛び交う。明らかに若い観客が増えた客席に放たれたオープニングナンバーはミニアルバム『à la carte』に収録されている「We are You are」。さらに「Walking on the clouds」、メジャーデビュー前のアルバムから「愛の街」とシックな手触りのナンバーが続く。ブルース、カントリー、ジャズのテイストを反映させたソングライティング、スモーキーな声質がゆったりと広がり、豊潤な音楽空間が生み出される。とても二十歳とは思えないほどの深みを持った彼女の歌を支えるのは、Ovallのメンバーであるmabanua(Dr)、関口シンゴ(G)、Shingo Suzuki(B)、そしてKan Sano(Key)。演奏の質の高さは、現在のJ−POPシーンのなかでもはっきりと際立っていると思う。

 オーガニックな雰囲気から一転、MCになると二十歳の女の子としての等身大の姿が伝わってきた。「さくらちゃん、お姫様みたい!」という声に「そういうの嬉しい。もっと言って」と笑顔を見せ、「ツアーの打ち上げで酔っぱらってトイレで泣いちゃって……」とぶっちゃけ話も披露。おそらく今回のツアーは、ドラマ『ラヴソング』の佐野さくら役で彼女のことを始めて知った観客も多かったはず。素顔が伝わるトークからは、初対面の観客に対して“普段の自分を伝えたい”という意思を感じ取ることができた。

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