2016年のBABYMETALは海外・国内でどう活躍した? 快挙の数々を振り返る
海外で現地の人びとを虜にしながら、数々の功績を残してきたBABYMETAL。では、一方の国内での活動がどうだったのか。最後に少しだけ振り返っておきたい。
今年、国内で開催されたのは全部で14公演。ただし、フェスへの出演やWebメンバー“THE ONE”限定での公演を除けば、単独公演として一般にもチケットが販売されたのは2日間にわたる東京ドームのみの2公演だった。
昨年はその布石として、さいたまスーパーアリーナ、幕張メッセ国際展示場、横浜アリーナを行脚し、Zeppでの全国ツアーが行なわれていたのを考えると、数自体は明らかに少ない。しかし、自身最大規模となった東京ドーム公演当日は、にわかに抱いていた寂しさを一瞬で吹き飛ばしてくれるほどの興奮に包まれていた。
台風の影響から、どしゃ降りの雨が降り続く東京ドームに集まったのはのべ11万人の観客。2日間ともに「MCもアンコールもない」と告げられ、なおかつ、BABYMETALのライブの激しさを物語るオールスタンディングエリア“MOSH'SH PIT”もなし。恒例のウォール・オブ・デスやサークル、モッシュを封じられながらも、待ちわびた日の記憶を強く焼き付けようと、すべての観客はBABYMETALと神バンドのパフォーマンスに全身の力を振り絞り応えていた。
そして来年、BABYMETALはいったいどこへ向かうのだろうか。今のところ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのツアー帯同のほかには、オリジナルの短編アニメが米・ワーナーにより製作されることが告げられている。一方、単独公演や国内での活動が伝えられていないのは気がかりであるが、筆者の私見ながら、かつてにわかに感じていた“明日にも終わるかもしれない”という寂しさは薄れており、むしろこの先で何が起きるのかと、ワクワクする気持ちの方が強い。
キツネ様のみぞ知るとは、BABYMETALの一貫したシナリオである。今はもう、明日にも訪れるであろうキツネ様からの“お告げ”を待ちのぞむばかりだ。
■カネコシュウヘイ
編集者/ライター/デザイナー。アイドルをはじめ、エンタメ分野での取材や原稿執筆を中心に活動。ライブなどの現場が好きで、月に約数万円はアイドルへ主に費やしている。単著に『BABYMETAL 追っかけ日記』。執筆媒体はWeb『ダ・ヴィンチニュース』『クランクイン!』『ウレぴあ総研』、雑誌『日経エンタテインメント!』など。