来日中の“変貌”も話題 レディー・ガガが表現し始めた“素の自分”とは?

 来日会見時には今後について、「この先10年、音楽もやりたいけど、子供を作って、家族を作りたいと思います」と語ったガガ。来日中のメディア出演を通じ、『Joanne』がまさに“人間回帰”というコンセプト通り、レディー・ガガというアイコンとしてではなく、本名であるステファニー・ジョアン・アンジェリーナ・ジャーマノッタという1人の女性の作品であることをビジュアルと数々の発言により強く印象付けた。

 日本でも宇多田ヒカルが、2013年に逝去した自身の母・藤圭子へ捧げる一枚であると明かした6年ぶりのアルバム『Fantôme』リリース時に、母の面影を感じさせる姿で多くのメディアに出演し、自身の境遇や思いを語る機会を数多く設けていた。また世界的にも、ビヨンセが4月にリリースしたアルバム『Lemonade』を通じて“浮気された女の気持ち”を描き、夫・ジェイの浮気に悩んでいることを匂わせたり、少し遡ると2012年にはテイラー・スウィフトが「We Are Never Ever Getting Back Together」で元恋人への思いを歌ったり、とガガに限らず、素の自分を楽曲に落とし込み、自ら発信していくことがヒットに繋がる傾向にあるといえる。

 今作でガガは、カリスマ的シンガーという立ち位置からあえてギター、ピアノでの弾き語りといった自然体な音楽に挑戦したことで、表現力がより深みを増し、世界的な潮流に乗って新たなファンを増やしていくことができそうだ。

(文=村上夏菜)

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