2ndアルバム『FASHION』リリースインタビュー
I Don’t Like Mondays.が考える、“世界基準”と“日本らしさ”の両立「ビルボードチャートでも勝負できるものを」
「ずっと英語で歌っているところに日本語が少し出てくると、そのワードが一番抜ける」
――海外の音楽に影響を受けて音楽を作っていても、同時に日本のリアリティも入っているところが素晴らしいと思うんですよ。それが海外の人には個性に見えると思いますし、日本の人にも他にない音楽に聞こえる部分があるように思います。
謙二:それは嬉しいです。どこかでそういう「血」のようなものが入ってくるんだと思うんですよ。あと、「メロディがいいものを作れば大丈夫だ」ということを前作の『TOKYO』で確信出来たことで、今回の『FASHION』がより自由に出来たのかな、とも思いますね。
――『TOKYO』があったからこそ、『FASHION』が出来た、と。
悠:そうですね。「『ここを外すとキャッチーさがなくなる』というギリギリのラインは超えないでおこう」「でも、音楽に超詳しい人が聴いても『すげえな』と思ってもらえるようなものを作りたい」という意味では、前作を作ったことで、今回はよりギリギリまで行けたと思います。今回はセルフ・プロデュース曲も増えたんで、音色も自分たちでかなりこだわっていて。歌も曲ごとにマイクを変えて録ったんですよ。
――中でも、それぞれが一番こだわった曲を挙げるなら?
謙二:個人的には「Fashion」ですね。最初にギター、ドラム、ベースでベーシックを録った時に、全然俺らっぽくない、土臭い感じになっちゃって。最初、ベースはもっと動くフレーズを弾いていたんですけど、最終的にはフレーズではなくて音価(音にあてられた時間の長さ)や音数を調整して、どうするかを録りながら頭を回転させて考えていきました。改めてシンプルに弾くことの大切さに気付けた曲ですね。他の曲もそうですけど、周りの音をより聞けたという意味でも、自分の中では成長があったと思います。
秋気:僕は「Marry me」ですね。この曲はシンプルだからこそ難しくて。パッと見で一秒でも早く聴き手を楽しませるのが「キャッチーな曲」だと思うんですけど、メロディの性質として、10年後20年後でも聴ける「長く聴けるメロディ」というのもありますよね。今回の『FASHION』は、全体的に長く聴けることに気を付けながら作っていったんですけど、そういう曲って僕らはこれまで作ってこなかったんで、メロディをとことん追究することで新しい構成が見えてきたんですよ。メロディラインはどのぐらいの歌の高さがいいか、どういう歌い方がいいか、そこに加わるハモリやラインがどんな風に聞こえるのがいいかということを、これまでで一番追究した曲です。
――秋気さんがドラムを叩いてない曲を上げるというのは面白いですね。
悠:結果、僕が言おうと思っていたことを言われちゃいました(笑)。他にも沢山あったと思うのに。でも、「Marry me」は歌詞の面でもこだわりがあって、日本の人が聴いても外国の人が英語だけを読んでも、どっちから攻めても成り立つように出来たと思っているんです。その変化のきっかけになったのは「Tonight」ですね。今までは英詞の量が曲の雰囲気を決めると思っていたけど、この曲から一番聴こえてくるところに英語と日本語のどっちのワードを乗せるかによって捉え方が変わることに気付いたというか。たとえば、ずっと英語で歌っているところに、日本語が少し出てくると、実はそのワードが一番抜けてきますよね。これは英語も日本語も両方使っているからこその歌詞の作り方だと思っていて。「Tonight」は、シングルなんで最初はもっと日本語を立たせようと思っていたんですけど、あえて入れずに、<あなたとならきっと迷わない>という一行だけを入れたら、その部分がドン! と抜けてくるようになったというか。その時に、「こういう歌詞の作り方もあるんだ」って気づいた部分があって、それ以降に作った曲では、今までなら日本語にしていたところもあえて英語にして歌詞を作っていった部分がありますね。
兆志:僕の場合は、「Stranger」のギター・ソロ。セルフ・プロデュースの曲を最後にどんどんレコーディングしていって、ギター・ダビングが別の日にあったんです。そこで「今日は終わりでもいいかな。明日でもいいんじゃない?」という話になったのに、「いや、今日やろう」と思ってあのギター・ソロを弾いて。次の日にもう一度弾いたんですけど、気持ちが乗っていたのか、前日の最初の方のテイクが一番よかったんですよね。この渋いギター・ソロを入れられたのは嬉しかったです。手元でヴォリュームを絞ってリアルタイムで上げたりしてるんで、よく聴いてもらうとそれも聞こえてくると思いますよ。
――様々なこわだりを詰め込みつつ、同時に正面切って「ポップ」と言い切れるアルバムが完成した今、ツアーに際してはどんなことを考えていますか。
悠:今回はライブのアップダウンの中で「こういう曲があったらいいよね」という曲を作れたので、セットリストを組みながらリハをやっていても、細かい演出を組まなくても楽しめるようなものになるのを感じていますね。その上に面白いことを乗せていきたいというか。
兆志:あとは、地方にワンマンで行くのは初めてなんで、地方で待ってくれている人たちにとってはまだ聴けていない曲がいっぱいあると思うんですよ。『TOKYO』にもいい曲が沢山あるし、新作の『FASHION』にも聴かせたい曲が沢山あるし。その辺りのバランスはうまく考えたいですね。
――それぞれタイプの違う『TOKYO』と『FASHION』が2つ揃ったことで、ようやくI Don’t Like Mondays.の全体像が分かるようになったという雰囲気もありますしね。
悠:まさにそうですね。この間秋気も全く同じことを言っていたんですけど、僕らにとって『FASHION』は『TOKYO』の延長線上にある作品ではないんです。むしろ、『TOKYO』では出せなかった僕らの別の部分を出したアルバムで。だから、今回『FASHION』を作ったことで、僕ら自身はようやくフラットになった感覚があるんです。つまり、僕らの中で『TOKYO』の曲は古くなっていないということですね。『FASHION』の初回限定盤に『TOKYO』の頃の曲のMVも入っているのは、それを象徴することかもしれないです。
――これからバンドはどうなっていくんでしょうね?
謙二:まぁ、自分たちでも分からないですよね。
秋気:(笑)。『TOKYO』を作り終わった頃には既に、次は『FASHION』のようなアルバムを作ろうということが見えていたんですよ。全曲シングルカットができるようなアルバムの次は対極のものにすることで次の可能性が広がると思っていたし、『TOKYO』の方向性でもうひとつアルバムを作ってしまったら、ずっとそれを続けないといけなくなると思って。
――なるほど。『FASHION』が完成したことで、次はどうなるか分からない展開がやっと始まる、ということですか。
悠:そうです。だから……次はどうなるんでしょうね? イルカかなぁ(笑)。聴いてくれた人の心を癒す周波数を持ったイントロを作るとか。これ新しくないですか?
秋気:(『TOKYO』収録の)「Sing」でも動物の鳴き声を入れてたりするんで、完全にないとは言いきれない……。
謙二:まぁ、バンドとして採用するかどうかは分からないですよ、それは(笑)。
(取材・文=杉山仁/撮影=竹内洋平)
■リリース情報
『FASHION』
発売:2016年9月28日(水)
価格:初回盤 (CD+DVD) ¥3,800+tax
通常盤 (CD) ¥2,800+tax
<収録内容>
01. Introduction
02. Crazy ※テレビ朝日系全国放送「BREAK OUT」9月度 エンディング・トラック ※AbemaTV内 チャンネルAbemaNews「原宿アベニュー」9月度エンディングソング
03. Don't look back
04. Game over
05. Sorry
06. Marry me
07. Right before sunset
08. Tonight
09. Fashion
10. Stranger
11. Girlfriend
12. Freaky boy
13. Life
<初回盤DVD収録内容>
[music video]
1. Sing
2. Love Yourself
3. Girlfriend
4. Sorry
5. Tonight
6. Crazy
[bonus track]
7. Sorry another edition
8. Behind the scene
All Songs Lyric, Music & Programming by I Don't Like Mondays.
Produced & Arranged by
I Don't Like Mondays. (M-1,3,4,7,9,10)
I Don't Like Mondays. / Kei Kawano (M-2,5,11,13)
I Don't Like Mondays. / EIGO (M-6,8,12)
<「FASHION」 CD購入特典情報>
☆「FASHION」封入応募抽選特典
「FASHION」初回生産分にシリアルナンバーつき応募券封入。
抽選で初の全国ワンマンツアーリハーサル観覧に各会場5名様を招待。
☆「TONIGHT」と「FASHION」の連動応募抽選特典
7月20日発売のシングル「TONIGHT」と9月28日発売の「FASHION」に封入されているシリアルナンバーつき応募券を集め、特設サイトで応募すると以下の特典を抽選でプレゼント。
○TONIGHT賞:都内アパレルショップでちょい足しコーディネート&記念撮影 (3名)
○FASHION賞:シチュエーション別FASHIONサイン入りチェキ写真 (10名)
○IDLMs.賞:直筆メッセージサンクスカード (100名)
【ライブ情報】
『I Don't Like Mondays. “FASHION” 1st Tour』
2016年10月30日(日) 宮城・HooK SENDAI
OPEN 17:30 / START 18:00
問)ノースロード・ミュージック 022-256-1000
2016年11月3日(木・祝) 福岡・DRUM Be-1
OPEN 17:30 / START 18:00
問)キョードー西日本 092-714-0159
2016年11月12日(土) 大阪・Music Club JANUS
OPEN 17:30 / START 18:00
問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
2016年11月13日(日) 愛知・名古屋 APOLLO BASE
OPEN 17:30 / START 18:00
問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
-FINAL-
2016年11月19日(土) 東京・Zepp DiverCity (TOKYO)
OPEN 17:30 / START 18:30
問)DISK GARAGE 050-5533-0888
<チケット>
スタンディング
宮城・福岡・大阪・愛知公演 ¥3,800(税込) / 東京公演 ¥4,500(税込)
※入場時ドリンク代別途必要
※未就学児童入場不可
■関連リンク
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