丸本莉子、カバーに込めた音楽的ルーツを語る 「私を知ってほしいという思いがある」

丸本莉子、カバーに込めた音楽的ルーツを語る

 丸本莉子のフリーライブツアー『丸本莉子ライヴワーク2016~1万人との癒し旅~』がスタートして3カ月が経過した。6月30日に新橋駅近くのビジネス街にて始まったこのツアーは、丸本がアコースティックギターを携え、都会のビジネス街を中心にほぼ毎週どこかの路上、駅前、ストリートで人々に歌声を届けていくというものだ。

 当サイトでは、初日の新橋、広島、高知にて密着取材を行った。その後も、浜松町、吉祥寺、2度目の新橋でのストリートライブに足を運び、ライブ終了後の彼女に話を訊いてきた。季節の移ろいとともに、少しずつ丸本の心境も変化してきているようだ。

 まずは、25年ぶりとなるセ・リーグ優勝で社会現象となった丸本の故郷・広島のプロ野球チーム、広島東洋カープについて。チームでは抑え投手として安定した活躍を見せる中崎翔太選手の入場曲に丸本の「ご機嫌ベイベー★」が使われており、彼女と広島カープは縁深い存在でもある。

「お父さんがすごい野球が好きで、小さい頃から広島市民球場に連れて行かれていました。いまでは始球式を務めさせてもらったり、広島カープのトークイベントでライブをさせてもらったりして嬉しいですね。中崎選手に関しては、お父さんが中崎選手を身内のように勝手に応援していて、『今日は中崎出たぞ!』とか『守ったぞ!』とか、いつも報告してくれるんです(笑)」

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 最近のストリートライブでは、中崎選手のユニフォームをマイクスタンドにかけ「ご機嫌ベイベー★」を歌うのが恒例となっている。丸本の楽曲の中でも一際ノリの良いこの曲は、ストリートライブでも手拍子でファンと一体になることができる。

「ピッチャーの中田廉選手が私と同い年で、友達を通して仲良くなって。一昨年のBLUE LIVE 広島でのワンマンライブに中田(廉)選手と中崎選手が来てくれました。中崎選手はライブを観たのが私が初めてだったらしく、『ご機嫌ベイベー★』をすごい気に入ってくれました。その後、嬉しいことに登場曲に使ってくれるようになったんです。『ご機嫌ベイベー★』は、インディーズ時にアルバムを出すのにアップテンポのものが少なくて、アルバムのメインにしようと作った曲で。『人生一度きりなら笑ってたい』という思いを歌にしました。女性が可愛くなりたいというテーマで作ってるんですけど、男性の方からは前向きになれるって言われます。登場曲として曲を流してもらっているけど、広島ファンの方々にはまだまだ顔と名前は覚えてもらえていないのかなと思います。でも、ストリートライブで『ココロ予報』や『ご機嫌ベイベー★』を歌うとほかの曲とは全然反応が違うので、曲は浸透してきているんだなと実感します。『ココロ予報』も広島のテレビ局の天気予報で流してもらっていたんですよ」

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 丸本は、ストリートライブでオリジナル曲のほかにカバー曲を歌うことが多い。今回取材した吉祥寺、新橋でのライブでも荒井由実「やさしさに包まれたなら」、イルカ「なごり雪」、DREAMS COME TRUE「LOVE LOVE LOVE」、中島みゆき「糸」が披露された。彼女の音楽的ルーツはどこにあるのか。

「小さい頃はお母さんと松田聖子さん、アン・ルイスさん、中森明菜さんなどを一緒に聴いて育ちました。歌が好きだなと思った時期が、SPEEDやモーニング娘。が出てきた小・中学生の頃で、そこから中学生になるとカラオケに行くようになって。倖田來未さん、ORANGE RANGEの曲などを歌っていました。高校生になると、椎名林檎さん、鬼束ちひろさんとか、ヒットソングを覚えてカラオケで歌ってましたね。歌っていて自然と気持ちが良かったのは、伸びのある声のアーティストさんの曲。鬼束ちひろさん、HYの仲宗根(泉)さんが歌っている曲も好きでした。習っていたボイトレの先生が、ユニコーンの手島いさむさんとバンドを組んでいたんです。上京するまでは福田さんにお世話になっていました。その時に洋楽を聴くように勧められて、キャロル・キング、アデル、アリシア・キーズ、ダニエル・パウター、レイ・チャールズなど、有名な曲はひと通り聴くようにしてましたね」

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 丸本が初めて広島の金座街にてストリートライブを行ったのは高校2年生の頃。最初は、母親と共に聴いていた松田聖子の「あなたに逢いたくて~Missing You~」を歌ったという。

「自分で作ったオリジナル曲を歌っても、意外と立ち止まってくれたんですよ。それも自信になって、ストリートって楽しいんだってその時に知りました。ギター1本で歌うとしたらまずはストリートライブというイメージがあって、原爆ドームの目の前に元安橋というのがあるんですけど、その橋の下で広島のミュージシャンが練習するっていう慣例があるんです。そこは声が反響するので、みんなが集ってたんですよ。私も学校終わったらそこにギターを持って行って、ストリートライブのことを教えてもらいました」

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