SMAPの解散は本当に必要な選択だったのか 「なぜ」に込められたファンの思い
8月14日未明に発表されたSMAPの解散報道を受けて、メンバーが担当しているラジオ番組が注目を集めている。解散について、本人たちによる記者会見は行なわれていない。だからこそ、肉声が届けられるラジオ番組で少しでも彼らの本音が聞けるのではないかと、期待が寄せられているのだ。
だが、これまでオンエアされたのは、冒頭に数分の謝罪コメントが差し込まれているものばかり。その後は、事前に収録されていたとみられる通常の放送内容になっていた。オープニングの謝罪コメントと本編の、あまりにもテンションの異なる放送に戸惑うファンも少なくなかったはず。
それこそ今回の解散報道が急速に進んだ証かもしれない。まるで、絶妙なバランスを保ちながら重ねた積み木が、大切なパーツが一つ抜かれたことで、バラバラと崩れてしまったような、そんなあっという間の解散劇を連想させた。
しかし、言葉少ない謝罪コメントの中にも、彼らの心情を察することはできた。淡々と事実を受け止めて前を向こうとしていたり、「解散」という言葉さえ口にできないほど悔しさを抱えていたり……。こうしたコメントを聞いて感じたのは、この解散が彼らにとって幸せの選択肢になっているのかという疑問だ。
「なぜ解散するの?」と、誰もが思っている。だが、その回答として取り沙汰されている報道は、人間関係に焦点を当てたものばかり。だが、知りたいのは、そこではない。一般的な仕事であっても、チームを組んだメンバーとは山あり谷ありだろう。仲間として信頼し合えることは尊いが、そうではないときもある。アイドルだって同じだ。いわば、30年近くSMAPというプロジェクトを動かしてきたメンバーに、すれ違いはもちろんあっただろうし、距離をとった期間がないほうがおかしい。それは、ずっと見つめてきたファンなら、すでにわかっていること。それでも、SMAPを守り続けてきた彼らの努力に尊敬を抱いているのだから。
「なぜ解散するの?」という問いには、もちろん「何があったの?」が含まれているが、影響力の大きな彼らのこと、今は全てを話せないと判断しているのだろう。また、全てを話したといっても、それが真実なのかを確かめようもない。だから、今ファンが知りたいのは、リアル以上に、その選択肢にメンバーの明るい未来を思い描けているのかどうかなのではないか。