『RockCorps』が提唱する、音楽と社会貢献の新たな結びつき プロジェクト創設者インタビュー

『RockCorps』音楽と社会貢献の新潮流

日本でやるのであれば東北を助けたい

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ーーRockCorpsは各国でこれまで50回以上開催されているとのことで、恒例行事になりつつある国もあるのでは。

スティーブン:そうですね。ただ、このイベントを恒例にするというよりは、ボランティアを人々にとって恒例なものにしたい。生活の一部にボランティアがあって、Facebookでみんなが食べ物や友達の写真、観光地に行った写真を上げるような感覚で、「ボランティアをやったんだよ」というのが日常で見られるようなものにしていきたいという思いがあります。

ーー日本は今年で3回目となりますが、日本開催のきっかけは?

スティーブン:もともとずっとアジアで開催したいという思いがあって、6年くらい前から準備を始めていましたが、途中で東日本大震災が起きました。直後はもちろんイベントなんてやっている状況ではないので、多少生活を取り戻して、心の傷が癒えるまで待とうと思いました。3年経った2014年にRockCorpsをやることになったとき、あの震災を無視することはできなかった。日本でやるのであれば東北を助けたいという思いで、福島で開催することを決めました。

ーー構想はもともとあったけれど、開催が少し後ろになったということですね。

スティーブン:そうですね。

ーー日本で開催するにあたり、苦労されたことはありますか?

スティーブン:東日本大震災は世界でもとても大きなニュースになったので、海外のアーティストに福島で開催するということを説明するのが難しかったです。福島に対するきちんとした情報を伝えて安全だということを理解してもらい、納得してもらうということ。ニーヨが一番最初に来て実績を作ってくれたことで、大丈夫になっていきましたけど。なので彼には本当に感謝しています。

ーー日本のアーティストはどうでしたか?

スティーブン:日本のアーティストに対しての悩みはなかったです。挙げるとすれば、素晴らしい方々がたくさんいるので、海外のアーティストとうまくコラボレーションして、いいかたちでマッチングする人を選ぶのが大変でした。贅沢な悩みです。あとは、ボランティア活動に参加してもらうという、自分たちが一番最初にアーティストに説明することが難しいと感じたことは日本でも同じでしたね。

ーー個人的な印象ですが、日本は海外に比べて、ボランティアに参加することを恥ずかしいと思ったり、大きな声で「参加します」と言うことをためらう人が多いような気がします。

スティーブン:確かにそうかもしれません。でもそれは海外のアーティストにとっても難しいことで、どういうトーンでボランティアのことを話せばいいのかということを悩むんだと思います。それぞれのキャラクターももちろんありますし。だから私は彼らに「ボランティアをします」とか「かっこいいことなんだ」とか無理して言うのではなく、「体験して感じたことを自分のオーセンティックな言葉で話してもらえるだけでいい」と説明しています。

ーーなるほど。その一言があるだけで、アーティストも気持ちが楽になるというか、参加しやすくなるかもしれないですね。

スティーブン:無理して自分を変えてやることじゃなくて、自然にやっているということが見ている人たちにも伝わればいいかなと。

ーーアーティストもボランティア参加者も同じということですよね。

スティーブン:そうですね。またRockCorpsはボランティアの人たちがスターであって、そのスターのためにアーティストが歌うイベントなんです。普通のライブはスターを見たくてみんなが集まるけれど、RockCorpsはボランティア参加者を称えるためにアーティストが集まるという逆の考え方。だから普通のライブとは立場が逆転したような、そういうスペシャルなライブが楽しめます。

ーーライブでの盛り上がりも普通のライブとは違うんですか?

スティーブン:すごいユニークですね、全然違います。普通のライブは友だち2〜3人とやって来て、その他の観客がいっぱいいて、そこでアーティストがパフォーマンスをして……会場に本当の意味での一体感が出るのに少なくとも1時間はかかるでしょう。でもRockCorpsは、すでにいろいろなグループの人たちと繋がりが生まれている状態。会場には、一緒にボランティアプロジェクトをした人、違うプロジェクトに参加した人が集まって、みんな同じ気持ち、同じ体験をして参加してきた人たちが集まります。だから会場に入った途端、30秒でみんなが一体になって盛り上がることができる。それはすごい感覚です。僕自身、人生で2000回以上はライブを見に行ったことがありますけど、RockCorpsのコンサートだけは違う雰囲気です。

ーーそれはライブの光景を見てみたくなってきますね。

スティーブン:ぜひお願いします(笑)。

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レディー・ガガ
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リアーナ
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ニーヨ
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