>  >  > SCANDALが10年で獲得した“大衆性と独自性”

『SCANDAL TOUR 2016「YELLOW」』東京公演レポート

SCANDALは“最強モード”に突入したーー『YELLOW』ツアー東京公演レポート

関連タグ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

20160526-scandal4.jpg

 

 キメるときはバッチリと、時折見せるユルさは素のままに。これも彼女たちの魅力だ。MAMIとTOMOMIが、歌うHARUNAを挟んでちょっかいを出す場面も。HARUNAのマイクスタンドにあるピックをTOMOMIが勝手に客席に投げるも、最前列にすら届かずに落下。これまで笑いをこらえながら必死に歌っていたHARUNAも、これにはたまらずの笑い声が会場に響いた。

 「10周年を目前に新曲を持ってきました。今年の夏はこの曲でみんなと盛り上がっていきたいなと思います」と紹介され、7月27日リリース、23枚目のニューシングル「テイクミーアウト」が初披露された。ギターのオリエンタルなフレーズと祭囃子を彷彿とさせるリズムが印象的な躍動感溢れるナンバー。隙間を縫って行くような符割りとせつなさを感じる和情緒メロディが夏の夜を感じさせ、それでいて、ギターに深めに掛けられたディレイがどこか無機質さをも漂わせる。昨年のシングル「Stamp!」「Sisters」という新境地を見せた流れにつづき、これまた意表を衝かれたような、“らしさ”を感じさせつつもこれまで無かったタイプのシングル曲だ。日本の夏祭りをディスコに落とし込んだようなこの「テイクミーアウト」は、まさに日本を代表するガールズバンドの10周年を迎える夏にふさわしい。カタカナ表記も“粋”だ。

 このZepp Tokyo 3デイズを終えた直後、MAMIが体調不良で入院という思わぬアクシデントに見舞われ、大阪・なんばHatch公演を延期することになってしまったが、結果としてツアーの凱旋ファイナルを大阪で迎えることになった。そして来たる結成日、8月21日には結成地・大阪で『SCANDAL 10th ANNIVERSARY FESTIVAL「2006-2016」』が行なわれ、9月からは昨年に続いて2度目となるヨーロッパツアーも決定している。

「10年バンドやってきたなぁ、という気持ちなんですけど、これからのほうがもっともっと長いと思うんで、自分たちを信じて進んでいきたいなと思っています。よろしくお願いします」

 そんなHARUNAのMCが印象的だった。大衆性に加え、独自性をも得た彼女たちのモードが最強モードに突入しているのをまじまじと感じたライブ。同時にバンドのモチベーションも過去最高に達しようとしていることは言うまでもあるまい。この先、20年、30年へと突き進むSCANDALの姿を予感させるような終始ハッピーな夜だった。

■冬将軍
音楽専門学校での新人開発、音楽事務所で制作ディレクター、A&R、マネジメント、レーベル運営などを経る。ブログtwitter

      

「SCANDALは“最強モード”に突入したーー『YELLOW』ツアー東京公演レポート」のページです。の最新ニュースで音楽シーンをもっと楽しく!「リアルサウンド」は、音楽とホンネで向き合う人たちのための、音楽・アーティスト情報、作品レビューの総合サイトです。

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版