花谷麻妃ソロデビューシングル『だって、ギュってして。』インタビュー
花谷麻妃がソロデビュー作で表現しようとしたこと「もっとアニメに関わっていきたい!」
4人組応援ガールズユニット・Fullfull☆Pocketのメンバー花谷麻妃が、4月27日にリリースするシングル『だって、ギュってして。』でソロデビューを果たす。表題曲は、現在放送中のTVアニメ『くまみこ』(TOKYO MX系)オープニングテーマに抜擢されている。予てよりアニメが好きだったという花谷には、楽曲レコーディングの背景や「昭和歌謡」「ギター」「DTMいじり」「モデルガン」……など多彩な趣味に関する質問、グループとソロとの活動の違いについても語ってもらった。インタビュー中には、花谷本人も知らなかったCDジャケット制作背景も明らかになっている。(渡辺彰浩)
「大好きなアニメに関わる仕事ができてすごく嬉しかった」
ーー4人組応援ガールズユニット・Fullfull☆Pocketのメンバーとして活動している花谷さんですが、今回、アニメ『くまみこ』のオープニングテーマでソロデビューが決定しました。
花谷麻妃(以下、花谷):昔から大好きなアニメに関わる仕事ができるというのはすごく嬉しかったし、信じられなかったです。ソロデビューについては去年の夏ごろに聞いて、それ自体が夢のような話だったのですが、実感したのも実際に『くまみこ』のアニメでオープニング曲として流れているのを聴いてからで。最初から自分が好きで漫画も読んでいたタイトルに関わることができて本当に良かったです。
ーーアニメのオープニングは花谷さんが歌う「だって、ギュってして。」と『くまみこ』のアニメーションがマッチした可愛らしい映像ですね。花谷さんはアニメのどのようなところが好きなんですか?
花谷:思考が男の子に近いといわれるので、アニメに出ている可愛い女の子を観ると反応しちゃうんです(笑)。声優さんの声も好きで、”どうやったらこういう声が出るんだろう?”って真似したり、絵も描いてみたり。
ーープロフィールには「週1で秋葉原に通うオタク少女」とあります。
花谷:秋葉原にはアニメのフィギュアやグッズ、漫画が売っているお店によく行きます。ほかにはパソコンの部品を見に行ったり。部屋では、アニメのポスターとかフィギュアをずっと眺めています。
ーー「自作PC作り」も得意なんですよね。
花谷:まだ1台しか作ってないんですけど、映像と音にこだわって、ゲームもいい環境でプレイできるようにハイスペックのパソコンを毎日使っています。
ーー14歳とは思えない多彩な趣味ですね。「だって、ギュってして。」の話に戻って、MVでは赤いワンピースを着ている花谷さんが可愛らしいダンスを踊る映像が印象的です。
花谷:振り付けは二丁ハロのミキティー本物さんが担当してくださいました。スタジオで2人っきりになって、「だって、ギュってして。」を一緒に聴いて、ミキティーさんの複雑な恋話を聞いたり……(笑)。それから、私が好きなアニメや趣味の話を30分ぐらい話しているうちにミキティーさんが「じゃあこうしよう」という感じで振りを付けてくれました。すごく丁寧に教えてくださって、分からないところもなく2時間半くらいで覚えられました。
ーーダンスが目を引く一方で、青いワンピースを着た花谷さんが映像に登場するクマ井ナツの「ちょっと冬眠してきます」という置き手紙を見て、浮かべる切ない表情も光っていました。YouTubeに公開されているMVはティザー映像として途中で終わりますが、続きはどう展開するのでしょう?
花谷:2番のBメロに<メロディーが花の谷から巻き上がる>という、私の名前が入った歌詞があって。MVでは花びらが舞うんですけど、その中でくるくる回ってすごく楽しかったですね。あとは、ナツにも振り付けがあって、それを真似しながら一緒に踊るのも楽しかったので注目していただけたら嬉しいです。
ーー初回限定盤のジャケットにはキャンディーを持つ花谷さんが写っています。あれは何か意図があるのでしょうか?
花谷:(スタッフを見ながら)……なんなんですか?
スタッフ:本人には内緒にしてたんですけど、『ロリータ』という映画にある、ハート型のサングラスをかけた女の子がロリポップキャンディーを舐めているという描写をオマージュしました。フランスのアーティストであるセルジュ・ゲンズブールのプロデュースに、女の子には内緒で大人が見たらドキッとするようなことをさせる、というものがあって。今回、作詞・作曲・コーラスを担当しているボンジュール鈴木さんとそういう手法について話し合って、歌詞やビジュアルにも取り込んだんです。
ーーだからキャッチコピーが「オトナが目を離せない可憐で粋な14歳」なんですね。
花谷:……知らなかった!
ーーFullfull☆Pocketでは多田慎也さんが楽曲を手がけていますが、今回ボンジュールさんがサウンドプロデュースを務めています。ボンジュールさんの楽曲を聴いた時はどう感じましたか?
花谷:今まで聴いたことのないようなふわふわした可愛らしい曲で、Aメロにあるセリフのパートが歌ってて楽しくて。「アニメに出てくる可愛い子だったらこう言うんだろうな」みたいな想像を膨らませながらレコーディングしました。聴いているだけでアニメの主人公の(雨宿)まちがナツと一緒に歩いてる映像が浮かんでくるような曲だなって。ボンジュール鈴木さんの曲はアニメ『ユリ熊嵐』のオープニングテーマ「あの森で待ってる」でずっと聴いていて、今回いきなりお会いすることになって「えぇ!?」って、びっくりが重なりました。
ーーこの曲は「田舎に住む主人公のまちが、もしフランスに住むおしゃれな子だったら?」というテーマで書かれていて、フランス語から始まる曲の冒頭も印象的でした。
花谷:ボンジュールさんがフランス語を喋れる方なので、教えてもらったんですけど、「フランス語は忠実に発音すると幼さが消えちゃう」ということでバランスを見ながらレコーディングしていきました。ボンジュールさんに「ここはこういう発音だよ」って教えて頂いて、苦戦しながら録っていって、そこを歌っている時だけはフランス人になったような感じでしたね。
ーーボンジュールさんはコーラスとしても参加されていますね。
花谷:サビの<魔法が消えても>の歌詞とフランス語の多重コーラス、サビのハモでコーラスをして頂いています。
ーーボンジュールさんはアニメのイメージと花谷さんのイメージをミックスして作詞をされていると思うのですが、歌詞で花谷さん自身と重なる部分はありますか?
花谷:1番Aメロのセリフにある<はーい、行ってきます>のところは毎日のように家で言っているので、「(ここ、いつも言ってるやつだ)」って(笑)。ボンジュールさんがレコーディングの時にここの部分を聴いて「これが本物だ! 私にはできない~!」って感動していたらしくて嬉しかったですね。