MICHIが語る“アニソン愛”とシンガーとしての夢「アニソン界に新しいジャンルを作れたら」

MICHIが目指す自由なアニソンシンガー

 沖縄初の女性アニソンシンガーMICHIが、待望の2ndシングル『Checkmate!?』を1月27日にリリースする。オーディションをきっかけに、昨年7月にテレビアニメ『六花の勇者』のオープニング&エンディングテーマを収録したシングル『Cry for the Truth / Secret Sky』でメジャーデビューを果たした彼女。19歳という年齢とは裏腹に、大人っぽいルックスとストレートな歌声で着実に注目を集めている。今回のシングル表題曲も、今年1月からスタートしたテレビアニメ『だがしかし』のオープニングテーマとしてオンエア中で、Elements Gardenがサウンドプロデュースを手がけたジャジーなアップチューンは早くも大きな反響を呼んでいる。

 今回のインタビューでは新作の話題はもちろんのこと、MICHIの音楽的ルーツから、自身も大のアニメファンを公言する彼女がアニソンシンガーを目指すまで、そしてアニソンシンガーとしての目標や夢を思う存分語ってもらった。(西廣智一)

「小5でジャネット・ジャクソンが流行?」

──MICHIさんは沖縄のコザ市出身なんですよね。僕もミュージックタウン音市場に何度か行ったことがあるんですが、あの辺りは関東と比べると、ちょっと独特な文化があるなと思いました。

MICHI:確かにそうかもしれないですね。1階ではダンスバトルをやっていて、3階のホールではバンドがライブをやっているし。家の近くなので、帰り道で通ったときに1階で何かやっていると立ち寄ったりしてました。常に爆音で音楽が流れているんですよね。ちょっと離れた私の家にまでも音が聞こえるんですけど、誰も苦情を言わないんで、確かに東京と比べたらちょっと考えられないのかもなって思います。

──ということは、MICHIさんの周りも物心ついた頃から日常の中に音楽があふれていた?

MICHI:そうですね。家の中でも朝起きたら音楽が流れているし、学校から帰ってくると音楽が流れているっていう。家の中でも外でも、音楽に囲まれて育ちました。

──ちなみにどういう音楽が流れてましたか?

MICHI:家ではお母さんが若い頃に好きだったクイーンとか、80年代の洋楽ですね。あとその当時は、NHKで『カードキャプターさくら』というアニメを放送していたので、お姉ちゃんと一緒にそのアニメの曲を歌ったりしてました。

──では小さい頃から歌うことが好きだった?

MICHI:大好きでした。

──そこから歌手も目指して?

MICHI:私、物心つく前から歌手になるんだと思ってたみたいで。全然記憶がないんですけど、「歌手になる!」ってちっちゃい頃から言ってたのを最近ホームビデオで観て、ビックリしました。

──こういう音楽が好き、こんなアーティストが好きだと意識したのはいつ頃でしたか?

MICHI:いつだろう……いいなと思ったのは、小5とかですかね。お母さんが好きだったR&Bの曲を聴いていて。その頃、ジャネット・ジャクソンさんの曲が流行ってたんです、校内で。

──えっ?

MICHI:そうなんです。ジャネット・ジャクソンさんの「All For You」って曲だったかな。十三祝い(※沖縄に伝わる祝い事のひとつで、生まれたときの干支が再び巡ってくる節目を祝い子供の成長を喜ぶ生年祝い)があったんですけど、そのときにみんなで出し物でこれで踊ろうってことになったんです。「こんなにすごく透き通ったキレイな声で歌える人、いいなぁ」ってその当時は思ってました。

──小学校でジャネット・ジャクソンが流行るって、かなり特殊ですね?

MICHI:本当に流行ったんですよ!(笑)もちろんみんなJ-POPも聴くけど、そのちょっと前にはレゲエが流行ったし、その後にはR&B、次にヒップホップが流行って。コザならではの曲の流行り方なのかな。

「『ゲッター』をカミングアウトするまで」

──それと同時に、アニメにも興味があったと。

MICHI:はい。沖縄ってテレビの放送局が3局しかなくて、あまりアニメが放送されてなかったんですけど、小学校の頃は家に帰ると『NARUTO -ナルト-』『BLEACH』『D.Gray-man』『カードキャプターさくら』『電脳コイル』『バクマン。』『MAJOR』『学園アリス』あたりをよく観てたんです。でも小学校の頃は自分がアニメ好きってことはカミングアウトしてなかったんですよ。

──どうしてですか?

MICHI:沖縄の方言でオタクのことを「ゲッター」っていうんですけど、「えーい、ゲッターゲッター!」って同級生からからかわれるのが嫌だったから。

──アニメが好きだということをオープンにしたのはいつ頃でしたか?

MICHI:やっと高校に入ってからですね。同級生にアニメ好きの子が多いことが偶然わかって、「どう? 私はゲッターだよ!」って堂々とアニメ好きを公言できるようになったんです。そういう環境になってからは、逆にアニメを知らない同級生を「ダメだね、わかってないね!」とか挑発してたぐらいで(笑)。そうしたら『進撃の巨人』とか『ラブライブ!』とかが流行り初めて、本当にやっといろんな人にアニメが広まり始めたんですよ。

──『進撃の巨人』や『ラブライブ!』は特に映画も大ヒットしましたし。

MICHI:昔は沖縄ではそういった作品が映画館で上映されることはなくて、DVD化されるまで見られなかったんですね。でも今では沖縄でも普通に上映されてるんで、地元の友達も喜んでました。

──ではアニメソングを意識するようになったのはいつ頃でしたか?

MICHI:高1です。アニメ好きの友達ができて、『銀魂』や『BLEACH』のオープニング&エンディングテーマ集をみんなで聴いてワーって騒ぐことが多かったんですけど、そこで「アニソンっていいなぁ。こうやってみんなに笑顔を与えられるアニソンシンガーになりたいな!」って初めて思ったんです。だから友達のおかげですね、アニソンシンガーを目指すようになったのは。

「ここで運を使い果たしたんじゃないかな?」

──そうだったんですね。そこからアニソンシンガーになるために、何か音楽活動はしていたんですか?

MICHI:まったくしてないです(笑)。しかも三線以外の楽器も弾けないので、ただカラオケに行って歌っていたという。

──では高校を卒業してから、オーディションを受けたと。

MICHI:はい。初めて受けたオーディションが『六花の勇者』のエンディングテーマを歌うシンガーを決めるもので、そこで合格することができたんです。

──いきなりだったんですね。

MICHI:そうなんです。なんかもうビックリしちゃって。しかもElements Gardenさんのところに挨拶に行って、いろんな打合せの最後に「オープニングテーマも歌うよ」っていうサプライズがあって、ありがたいことにいつかアニメのオープニングを歌いたいという夢も同時に叶っちゃったんです! 最初こそ「いいのかな? ここで運を使い果たしたんじゃないかな?」って心配になりましたけど、あとはもうとにかく幸せな気分で。3日間ニヤけが止まらなかったです(笑)。

──強運ですよね。しかもElements Gardenさんといったら、アニソンファンなら知らない人はいない存在ですし。

MICHI:そうですよ! だってElements Gardenさんが担当してるから聴いてみようっていうくらい、ファンがたくさんいるわけじゃないですか。そんな方々にプロデュースしていただいて、しかも水樹奈々さんのクレジットにElements Gardenって入っているみたいに、MICHIの名前のところにElements Gardenさんの名前がクレジットされてるわけですから。鳥肌が立ちましたね!

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