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『HELLO WORLD!MYNO. IS ZERO』レポート

大森靖子は“戦友”を手に入れたーー赤坂BLITZワンマンで見せたバンドの団結力

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20160224-omori8.jpgピエール中野(ds)

 遡れば、直枝とは2013年6月17日に大森のライブに彼がギターで参加して以来(本当に素晴らしいライブだった!)、共演/共作を重ねてきた。畠山とは旧い知り合いで、彼は『魔法が使えないなら死にたい』の「高円寺」でギターを弾いている。tatsuとは『絶対少女』のセッションで初めて顔を合わせ、以降、ライブのバンド・メンバーとして活躍してきた。奥野とも『絶対少女』への参加がきっかけで意気投合し、現在彼はアレンジャー/プロデューサーとしても大森の作品に関わっている。また、2014年9月の“大森靖子コピバン祭り”では、globeの曲を一緒に演奏した際にマーク・パンサーのラップ・パートを担当してウケていたのも懐かしい。ピエール中野とは2014年6月に彼がPerfumeの「チョコレイト・ディスコ」をカヴァーした時に大森がヴォーカルを務めており(この時ベースを弾いていたのが、新作にプロデューサーとして参加しているクラムボンのミト)、先述のコピバン祭でも、大森や直枝と共に宇多田ヒカル、globe、SPEEDを演奏している。

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20160224-omori7.jpg直枝政広(g)

 大森がメジャー・デビューと同時に手に入れたものは数多くあるだろうが、そのうちのひとつが、『洗脳』のツアー以来行動を共にしているこのバンドではないだろうか。もちろん、メジャー契約して以降も、大森靖子&THEピンクトカレフでの活動も平行して行なっていたわけだが、今のバンドとピンクトカレフはサウンドのベクトルがだいぶ異なる。派手なキメやキャッチーなリフを多用し、弾き語りとはかなり異なるアレンジを施していたピンクトカレフは、新宿ロフトのようなライブハウスで最も威力を発揮するタイプのバンドだったと思う。大森はインタビューでピンクトカレフについて、幕張メッセのような大きな会場では、後方まで音が届いていないと感じたそうで、それが解散のきっかけになったらしい。無論、この日のバンドにもピンクトカレフにも、どちらにも個々の良さがあるが、やはり方向性が違うのだろう。バンド然としていて良い意味でアクの強い音を出していたピンクトカレフに比べ、直枝らによる演奏は原曲の良さを最大限に活かし、大森が最も綺麗に映えるアングルを熟知しているような感触だ。彼らは、言ってみれば主演女優の大森を輝かせる名バイプレイヤーのようなもの。職人的な技術が光る演奏でさりげなく大森を盛り立てていたのだ。

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 大森靖子は基本的に自分でアレンジをしない人だ。ラフなデモテープをアレンジャーやプロデューサーに送り、最後の肉付けを委ねている。つまり、それだけ共演/共作するミュージシャンを信頼しているということでもある。弾き語りで孤独に闘ってきた(その軌跡は先述の『かけがえのないマグマ』で知ることができる)彼女は、今、“戦友”とでも言うべき仲間を手に入れた。この日のバンド・メンバーも、その中の精鋭4人なのではないだろうか。

■土佐有明
ライター。『ミュージック・マガジン』、『レコード・コレクターズ』、『CDジャーナル』、『テレビブロス』、『東京新聞』、『CINRA.NET』、『MARQUEE』、『ラティーナ』などに、音楽評、演劇評、書評を執筆中。大森靖子が好き。ツイッターアカウントは@ariaketosa

■『HELLO WORLD!MYNO. IS ZERO』@AKASAKA BLITZ セットリスト

M1 愛してる.com
M2 きゅるきゅる
M3 イミテーションガール
-MC-
M4 劇的JOY!ビフォーアフター
M5 BODY & SOUL
-MC-
M6 子供じゃないもん17
M7 マジックミラー
M8 春の公園
M9 焼肉デート
M10 呪いは水色
M11 少女3号
M12 あたし天使の堪忍袋
-MC-
M13 無修正ロマンティック~延長戦~
M14 新宿
M15 絶対彼女
M16 生kill the time 4 you、、♡
M17 ミッドナイト清純異性交遊
-MC-
M18 TOKYO BLACK HOLE

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