“艶ロック”新世代!? LACCO TOWER、THE ORAL CIGARETTESなど歌謡としての強さを誇るバンドたち

 また、フェスシーンでも頭角を現し、すでにワンマンではZepp Diver City Tokyoを即完売する動員力を誇るTHE ORAL CIGARETTESも、バンドシーンの中では強烈なフックを持った歌メロが特徴だ。この1月にリリースした2ndアルバム『FIXTION』には、ほぼすべての作詞作曲を手掛ける山中拓也(Vo、G)のハイトーンからスムーズなファルセットが妖艶なサビを持つ2曲、「気づけよBaby」「狂乱 Hey Kids!!」が冒頭に居並ぶ。2010年の結成以来、四つ打ちと並行して16ビートでもかなりファンク色の強い音楽性を表現してきた彼ら。歌メロがR&B寄りの歌謡テイストであることはむしろ自然で、そのメロディの中毒性の高さがいよいよ同じ関西出身で先にブレイクしたKANA-BOONやキュウソネコカミにない個性となって、2016年、吉と出そうな勢いなのだ。

 ハイブリッド化が続くロックバンドの中で際立った妖艶なメロディ、歌謡としての強さを持ったバンドに引き続き注目したい。

■石角友香
フリーの音楽ライター、編集者。ぴあ関西版・音楽担当を経てフリーに。現在は「Skream!」「NEXUS」「EMTG music」「ナタリー」などで執筆。音楽以外にも著名人のテーマ切りインタビューの編集や取材も行う。

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