さやわかの『Billboard Japan Hot100』チャート分析
乃木坂46、Perfume、μ's……骨太なポップスが顔を並べた最新ビルボードチャートを読む
参考:billboard Japan シングルチャート(11月9日付)
ざっとベストテンくらいまでを見渡して、なかなかバラエティ感のあるチャートになったように思えます。まあちょっと無骨なロック色とか直球のソウル色は足りない気もしますが、そのぶん若々しさを感じますし、この際いいでしょう。1位の乃木坂46は今や雑誌等でグラビアをやるとAKB48よりも注目度が高いという話も聞きますし、特に今回の「今、話したい誰かがいる」はエンディングテーマとしてタイアップしたアニメ映画「心が叫びたがってるんだ。」も興行収入10億を突破とかでヒットしておりまして、見事に当ててやったぜ感があるわけです。ジャケットや収録内容の違う全5種リリース&生写真付き、さらには握手会等の各種イベント応募券付きなど初動で62万枚超という売り上げを叩き出しておりますので、意地悪な向きは「オマケ商法目当てに、一人で何枚もCDを買ってる奴がいるだけ」とか言いがちです。
が、このBillboard Japanのチャートを見る限りでは「PCによるCDの取り込み回数」も1位ということで、すなわちオーディオ機器で聴くためにこそ、それだけ多くの人がCDを購入したと言えるわけです。曲調としては音数が多くて安定感のあるメロディが上がったり下がったりしつつセンチメンタルな歌詞をつぶやくようなものなわけで、まあいわゆる日本の伝統的なバラードというやつですね。フォーク的と言ってもいいわけですが、タイアップ映画の主題にも合わせた青春譜といったらそれが王道なわけで、きっちりと外さない作りになっていると言えるでしょう。なお乃木坂46としてもセンターが2人体制になった珍しい曲でして、そのへんが楽曲の売り上げに影響したかどうかは不明です。