乃木坂46運営・今野義雄氏が語る、グループの“安定”と“課題” 「2016年は激動の年になる」

乃木坂46運営・今野義雄氏が語る、グループの“安定”と“課題” 「2016年は激動の年になる」

20160107-nogizaka7.jpg12thシングル『太陽ノック』表題曲MVより。

「大事なのは、単純にお飾りで起用されるのではなくて、ちゃんとその世界で主力になっていくこと」

――7月22日リリースの12枚目シングル『太陽ノック』は生駒さんのセンター復帰曲です。センターを外れている期間も一貫して乃木坂46の象徴だった生駒さんが、あらためて中心に戻ってきたことの意義も大きかったと思います。

今野:この時は、AKB48との兼任が終わった状態での生駒なんですよね。生駒自身がAKB48という大きな場で揉まれてきて、どういう物語を背負ってくるのかということにはすごく興味がありました。けれど、兼任することで生まれる難しさもありましたね。兼任する以前の生駒とは、「笑顔」の質が変わっていたんです。

――それはAKB48に適応した笑顔になっていたということですか?

今野:AKB48で学んだ、明るく楽しい少女像という表現は彼女にとっても新鮮なものだから、これを採り入れなくてはということも生駒の中にあったと思うんです。ただ、それをそのまま乃木坂46に持ってくると浮いてしまうんですね。そのことも、生駒には何度も言いました。僕からするとある意味で、そぎ落としたかった。

――純粋に乃木坂46としての生駒さんの表情というと、たとえば「制服のマネキン」で見つけた緊張感であったり。

今野:そうですね、緊張感。そこにようやく生駒が気づいて戻ってくる。生駒が言っていたのは、「自分は少年と少女のバランスなんだ」と。AKB48を兼任することで、自然と少女の方が強くなっていたんでしょうね。そのまま乃木坂46に戻ってくると、おさまりが良くない。彼女なりの言葉で言えば、「自分の中の少年と少女のバランスをうまくとれたら、ようやく自分になれる」という。あの子が乃木坂46で表現すべきはそこなんですよね。少年っぽさと少女っぽさをハイブリッドするというのは生駒にしかできないので。

20160107-nogizaka8.jpg13thシングル『今、話したい誰かがいる』表題曲MVより。

――10月28日リリースの13枚目シングル『今、話したい誰かがいる』では、白石麻衣さん、西野七瀬さんのWセンターをはじめ衛藤美彩さんと深川麻衣さん、そして齋藤飛鳥さんと星野みなみさんというように、二人一組の対を意識して新たな陣形を模索しているようにも見えました。

今野:星野みなみと齋藤飛鳥についていえば、二人は決して、いつも一緒にいるような仲ではないんです(笑)。

――だとすると、ペアになることには違和感もあったかもしれない。

今野:違和感があったと思います。けれど、二人をペアにすると御三家(白石麻衣、橋本奈々未、松村沙友理)でも勝てないような不思議な力が生まれるんですよね。それに気づいてほしいという思いがありました。そのことはようやく本人たちもわかり始めてきた気がします。僕は今の二人の関係性って、とても好きなんですよね。全然慣れ合いでもなく、もちろん嫌い合うわけでもない、緊張感のある関係だと思います。みなみと飛鳥が「次世代」と呼ばれることも多いですが、二人はそう言われることもあまり好きじゃないかもしれない。でも、自覚はちょっとずつ芽生えてきてるという段階です。乃木坂46に層の厚さを感じていただける、そのひとつの理由には彼女たちの存在があると思いますね。

――2015年はお二人が大きくフィーチャーされる機会も多かったですね。

今野:この二人へのフォーカスが例年にも増して多い一年でもありましたよね。最近でいえば、みなみはスペースシャワーTVで、岩井俊二さん原案のSTATION ID「あたし、本と旅する」で46パターンの映像が放映されていたり。飛鳥は雑誌『CUTiE』『SWEET』のモデルや、ANNA SUIの2015年秋冬のアジア圏ビジュアルモデルにもなりました。

――ANNA SUIのモデルは正直、驚きました(笑)。

今野:それはもう、びっくりしましたよ。「いいんですか!?」っていうのが僕の第一声でした(笑)。ひょっとするとANNA SUIのスタッフの方に乃木坂46の大ファンの方がいて、その方の思い入れだけで、決まっていないまま話が先行しているのでは……ということも考えたりするくらいでした。けれど、担当の方にお会いしたらそういうことでは全然なくて。僕らが考えていた以上に乃木坂のことをしっかり見ていただいていて。ANNA SUIのイメージに合致する、小悪魔的な要素を持っている子ということで、齋藤飛鳥、北野日奈子、斉藤優里の三人を見つけていただきました。

――そうしたファッション面での躍進が目立ったのも、2015年の乃木坂46の特徴です。相次いでファッション誌の専属モデルが決まったことが印象に強いですが、振り返ると『LARME』『Ray』で活躍する白石さんを中心に、乃木坂46は長期的にファッション方面にアプローチしていたのではないかと思います。

今野:はい、まったくとってつけたものではありません。オーディションで乃木坂46のメンバーを選考した時のポイントに「骨格」という答え方をしたことがありますが、それも含めて、とにかく洋服を綺麗に着られる人たちを選んだんです。当初から、この子たちのうち何人かはファッション方面に行ってほしいなという意識はあった。その中で、まずは白石がしっかりと結果を出してくれました。

――白石さんは『LARME』創刊時からレギュラーモデルを務め、3年ほどかけて現在のポジションにいます。

今野:ファッション誌の中でも革命的な存在になった『LARME』さんのイメージリーダーとして白石が起用されて、反響もすごく良かった。専属モデルになった『Ray』でも、当時最年少で入って並み居る先輩たちがいる中で時間をかけてトップに近くなってきた。白石の功績は大きいです。

――それらの媒体との関わり方を見ていると、たとえば固定ファンを持つアイドルありきで最初から表に立たせるのではなく、時間をかけて雑誌の中で馴染ませながら育てるような長期戦略を感じます。

今野:大事なのは、単純にお飾りで起用されるのではなくて、ちゃんとその世界で主力になっていくことです。メンバーたち自身も時々言っていますが、いろんな場所で「しょせんアイドルでしょ?」と見られる。そのことへの反発心はあると思います。どこの誰よりも多く、山のような種類の仕事をして、そのたびにものすごく努力をしているけれど、どこに行っても、「どうせアイドルだから本気じゃないんでしょ」と低く見られる。それが悔しいから、その専門職の人たちにどれだけ迫れるのかという戦いを、それぞれの各ジャンルでやってるんですよね。乃木坂46の個人仕事は全部そうです。低く見られたところからスタートするんだから、そこを見返して「すげえ!」って言わせて帰ってこいという(笑)。

――最初は舐められることが前提というつもりで。

今野:それはもう前提として、覚悟の上で行く。それでいえば、10月に上演した舞台『すべての犬は天国へ行く』(AiiA 2.5 Theater Tokyo)で、名うての女優さんたちと一緒に舞台に立つというのも、一歩間違えれば、ものすごい恥をかくわけですよね。そんな場所で、「この子たちはすごいよ」と言わせることができた。

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