『Hey! Say! JUMP 9つのトビラが開くとき』インタビュー
Hey! Say! JUMPの知られざる苦悩の日々ーー彼らの軌跡を追った書籍の著者インタビュー
“伊野尾革命”に続く革命は?
――伊野尾さんに続く、次に見つけられちゃうメンバーは、どなただと思いますか?
田幸:いよいよ髙木雄也さんかなと思っています(笑)。髙木さんて、もともとJUMP内でいうと異色キャラに見えるんですよね。1人だけクールでワイルドなワルっぽい印象なので。JUMPのお子様集団のイメージに抵抗のある人も「髙木くんはカッコいいよね」ってなりやすいんです。でも、実は中身とのギャップがすごくあって、最近ではバラエティ番組『いただきハイジャンプ』でもオチとして使われるなど、温かい人柄が引き出されてきていますね。
――なるほど。では、まだまだ伸びしろを感じるメンバーは?
田幸:八乙女さんでしょうか。彼は、なんでもできる一方でグループのことを常に背負ってしまうので、個人として好き勝手できていない印象なんですよね。山田さんや中島さんはドラマ、伊野尾さんはバラエティといった形で、メンバーに少しずつ嫁ぎ先みたいな得意ジャンルが見えてきている中で、八乙女さんは役者もバラエティもできて、アートの才能もあって、料理まで得意。じつは、どこに本腰を入れていくのか迷ってるんじゃないかなと。
――才能豊かで、楽しみですね。
田幸:そうですね。薮さんも、センスの塊だと思っています。作詞にしてもギャグにしても、言葉選びにセンスが光るんです。あのフニャフニャな愛らしい笑顔でキレのある毒舌が出てきたり、得意分野のサッカーに関しては止まらなくなってしまったり。Jr.歴が長かったため、まとめる方にいた薮さんですが、実はグループで一番自由人でもありますから、今こそそのフリーな発言力がJUMPの殻を破ってくれるのではと思っています。
――岡本圭人さんについては?
田幸:岡本さんも、私はバラエティで活きるタイプだと思いますね。とにかく性格がよく、誰よりもやさしいので、その素顔が浸透していったら、一気に人気が上がるのではないでしょうか。また、リアクション芸人的な役割も担えるのではとも思っています。辛い食べ物にも強いですから(笑)。そして、JUMPの魅力を語る上で、岡本さんはキーパーソンだと思っています。
――というと?
田幸:私が結論づけたJUMPの魅力は、9人の揃ったダンスパフォーマンスです。JUMPが一段上に上がったと感じたのも、全員でダンスを極めた結果だと思っているので。でも、岡本さんはデビュー時までダンス経験がなく、常にメンバーに一歩遅れを取っている状況だったんです。そこから、相当の努力をされたのでしょう。今では見劣りすることなく、揃えることができています。デビュー時は人数の多さゆえにまとまりのなかったJUMPでしたが、9人だからこそ魅せられるダンスという大きな武器を手にしたのは、本当に大きかった。でも、最近は歌番組が少ないので、なかなかJUMPの本領を発揮できていないもどかしさを感じますね。
――次に期待される展開は?
田幸:歌番組が少ないからこそ、バラエティ番組などで素の部分を見せて、いかにお茶の間に興味を持ってもらい、ステージまで足を運んでもらえるかが大事になってきます。そうした意味では、これまで地域限定で深夜でのオンエアだった『いただきハイジャンプ』が、12月30日にようやく全国ネットで、しかもお昼の時間帯で放送されることになりました。ここでの反響が、今後の活躍に大きく影響してくるんじゃないでしょうか。彼らにいい波が来ているのは確かです。この波を活かして、さらに高いジャンプを見せてほしいですね。
(取材・文=佐藤結衣)
■書籍情報
『Hey! Say! JUMP 9つのトビラが開くとき』
著者:田幸和歌子
出版社:アールズ出版
発売日:12月14日(月)
2007年に、「平成の時代に高くジャンプしていく」という意味で名づけられ、結成されたグループ、Hey! Say! JUMP。9人という多人数であり、平均年齢が15才代と若いグループだったからまとまるまで長い時間が掛かった。謎の“空白期間”、最年少メンバーの活動中止、ジャニー喜多川との衝突など、数々の困難を乗り越えてきた、彼らの軌跡をジャニーズ・ウォッチャーが辿った。