音楽シーンを撹乱する異能バンド、バックドロップシンデレラ登場 10年のバンドキャリアを紐解く

BDC10周年のキャリアを紐解く

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打首からMERRYまで、異色共演

 『OPA!!』は打首獄門同好会のニューアルバム『まだまだ新米』と同じリリース日だった。シーンの中で異彩を放つもの同士、親交も深く、両バンドが好きというファンも多い。

「以前、お互いの大きめのライブが重なって、お客さんも「どっち行けばいいんだ」という声が結構あったり」(キャナコ)

「僕らも打首もシーンではある意味で浮いてたバンドだから、お互い一緒にやると面白いんじゃないかということに始まり、結構ガッツリやることが多いです。今回も同時期にリリースすることは解ってたので、一緒にツアーやろうという話になり、予定を組んでいくうちに『どうせだったらリリース日も一緒にしたほうがいいんじゃね?』という話になりました」(ペリー)

 「お客さんがいない頃から色んな対バンからのウケは良かった」と語るように、他ジャンルから誘われる異色共演も目立つ。最近では、スラッシュメタルの重鎮バンド・Gargoyleのツアー<狂い咲きジャパロック>に参加。ボーカル・KIBAが「僕がいまいちばん好きなバンドです! 」と紹介し、<KIBA生誕50年記念イベントライブ>にも出演した。そして、ヴィジュアル系ロックバンド・MERRYとの共演は、「両バンドに通ずるものがある」とファンの間で以前より話題になっていたことから実現したものだ。

「MERRYのファンの方がウチのCDをメンバーさんに渡してくれたのがきっかけなんです。最初、対バンツアー<NOnsenSe MARkeT 1F>でご一緒させてもらったのですが、反応もよくて、主催イベント<NOnsenSe MARkeT 3F -ラムフェス->にも呼んでいただきました」(キャナコ)

「正直ちゃんと聴いたことはなかったんですけど、改めて聴いてみたら『あ、なるほど!』と(笑)。みんなが騒いでいた理由が解りました」(ペリー)

自分たちのペースで活動できる自主レーベル

 音楽のみならず、ミュージックビデオなどのこだわりも強く、クオリティも高い。埼玉県旧与野市非公認ゆるキャラ“よのっしー”をはじめとし、メンバー発信の斬新なアイデアはとどまることを知らない。自主レーベルという機動力の高さを活かしている。

市長復活〜さいたま市ヨリ与野市ヲ解放セヨ〜(2013年)

 「自分の性格でもありますね。自分のバンドで起きていることは全部把握しておきたい、みたいな(笑)」そう語るペリーはバンドのギタリストであると同時に、自主レーベル・NaturalAfroRecordの代表を務める。

「メジャーにいったバンドが大きなことやったり、派手なことをやったりするのを見て、羨ましさを感じることもありますけど、こっちは少人数のチームで緊張感を持ってやっていく面白さがありますから。試行錯誤しながら切り開いて、ひとつひとつ積み上げて行かなければならないので、大変なことも多いんですけど。捕らわれない、制約のない中で、自分たちの出したいタイミング、やりたいペースで活動できるとことが、バンドのモチベーションとして健康ですね」(ペリー)

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