KANA-BOON/シナリオアートが映像クリエイターと語り合う、ロックバンドと映像の関係

KANA-BOON/シナリオアートMV座談会

「もともとの世界観は違うんだけど、つながっているところもある」(多田)

20151111-ks8.jpg

 

——スマホの普及によって、映像といっしょに音楽に出会うことが増えているし、音楽と映像の関係はさらに重要になってますよね。

谷口:僕らはまさにそういうタイプのバンドだと思うんですよね。ファーストインパクトとして、映像の力がすごく大きかったというか。だから映像を作る方々の発想力にはすごく興味があるし、それは観ている人も同じだと思うんですよ。MVとバンドとリスナーが近いからこそ、ミュージシャンやMVの監督を目指す人が増えたり、何かのきっかけとなったらいいなって。

飯田:僕はケーブルテレビの音楽チャンネルを1日5時間観てるような子供だったんですけど(笑)、「すげえ!」と思うものもあれば、「なんだかわからないけど、興味を引かれる」というMVもあって、それがぜんぶ楽曲にシックリ来てたんですよね。観てる側の感想は自由だし、「私だったらこうやる」って思う人も多いんじゃないかなって。

20151111-ks11.jpg

 

ハヤシ:映像とセットで音楽を聴く人が増えると、(映像によって)その曲の答えみたいなものをひとつ提示することにもなるなと思っていて。僕は音楽を聴いて、自分の頭のなかでイメージを思い浮かべるのが好きなんですが——自分なりの正解を作り上げるというか——これからはそれとは違う聴き方をされるようになるのかなと。

——そういう意味では、ユーザーの想像力を刺激するような映像が求められるようになるのかも。

多田:どんな環境で観るかによっても違いますよね。大きい画面で観ることもあるし、ひとりでiPhoneで観ることもあるし、もしかしたら、空中に映像が映る時代が来るかもしれないし。もちろん絶対的な答えはないんだけど、そのなかでやれることはいろいろあると思うんですよ。

関:じつは今回、ひとつボツになった企画があって。ふたつの画面を並べて「talking」と「ナナヒツジ」を観ると「一緒に撮影して、つながっていたんだ」というのがわかるっていう内容だったんですけど。

谷口:おもしろいですね!

関:それって、テレビで観ないことが前提じゃないですか。スマホ2台、ノートパソコン2台をつないで観るということだから。それは人によって観る環境が違うことを逆手に取った企画だったんですけどね。

多田:昔は「4:3」の正方形に近い画面だったんだけど、いまは長方形ですからね。それだけでもフレーミングや伝わり方も変わってくるので。カッコいいミュージシャンのMVはたくさんの人が観るわけだから、いろんなチャレンジがあったほうがいいですよね。映像は基本的にフィクションだし、ライブとは違う、そこだけの世界が作れるから。

——谷口さん、飯田さん、ハヤシさんはこの先、MVでやってみたいことはありますか?

20151111-ks6.jpg

 

谷口:そうですね……ビキニ美女に囲まれて撮影したいです。

飯田:ハハハハハ!

関:それはすぐ出来そうだけど(笑)。

谷口:(笑)。曲を作ったり、歌詞を書いてるときに思い描いていることを映像にしても、サムくなりそうだなって。やっぱり、MVに関して何も言わないほうがいいと思うんですよね。

飯田:宇宙人が出て来るMVとかはいいなって思いますね。「映像だから納得できる」ということがおもしろいなって。

谷口:じゃあ、宇宙人とビキニで(笑)。

ハヤシ:(笑)。僕はめちゃくちゃファンタジックなものをやってみたいですね。

多田:シナリオアートはアニメーションのMVもあるからね。KANA-BOONは“現実にありそうで、ない”というフィクションで、シナリオアートはもっとファンタジーに寄っていて。もともとの世界観は違うんだけど、つながっているところもある。そういう意味でも、おもしろいスプリット・シングルですよね。

——今回のスプリットシングルで、ふたつのバンドの関係性にも変化があったのでは?

谷口:そうですね。「ここは負けてるな」とか「ここは自分たちの持ち味だな」というのがさらに理解できて。直接言い合ったりはしないですけど、感じることは多いです。

飯田:対バンとか打ち上げでいっしょになることはありましたけど、もっと距離感が近いですからね。見えてくるものも、さらに明白な感じがするというか。

ハヤシ:もともとKANA-BOONのほうがデビューが早くて、自分たちはそれを見ながらデビューして。武道館のライブにも行ったし、いつも刺激をもらってるバンドですね。

谷口:程よい感じで仲良くやってます(笑)。

(取材・文=森朋之/写真=石川真魚)

KANA-BOON 『talking』

 

シナリオアート 『ナナヒツジ』

 

■リリース情報
KANA-BOON / シナリオアート スプリットシングル『talking / ナナヒツジ』
発売:11月11日

[初回盤A] アーティスト盤 ¥1,850+税

<収録曲>
1.talking / KANA-BOON
2.ナナヒツジ / シナリオアート
3.ぬけがら / KANA-BOON
4.トワノマチ / シナリオアート

<DVD収録内容>
KANA-BOON「KANA-BOONのとぅるとぅるかむとぅるーTOUR 2015 ~夢のアリーナ編~」より
1.タイムアウト(at 大阪城ホール)
2.大阪城ホール公演ドキュメンタリー&インタビュー
3.とぅるとぅるかむとぅるーMC 大阪城ホール編
4.日本武道館公演ドキュメンタリー&インタビュー
5.パレード(at 大阪城ホール)

シナリオアート 20150703 at ebisu LIQUIDROOM「ワンマンツアー 2015 [Scene #1] -Happy Umbrella-」より
6.アオイコドク
7.フユウ
8.ナイトレインボー

[初回盤B] アニメ盤 ¥1,750+税 ※浅野いにお描き下ろしアニメキャラクター絵柄、デジパック仕様

<収録曲>
1.talking / KANA-BOON
2.ナナヒツジ / シナリオアート
3.PUZZLE / KANA-BOON
4.ホシドケイ / シナリオアート

<DVD収録内容>
1.「すべてがFになる THE PERFECT INSIDER」ノンクレジット OP 映像
2.「すべでがFになる THE PERFECT INSIDER」ノンクレジット ED 映像

[通常盤] ¥1400+税

<収録曲>
1.talking / KANA-BOON
2.ナナヒツジ / シナリオアート
3.ぬけがら / KANA-BOON
4.トワノマチ / シナリオアート

■KANA-BOON / シナリオアート 共演ライブスケジュール
Ki/oon Music presents / SLASH /
日程:11月15日(日)
会場:新木場STUDIO COAST
14:00開場 / 15:00 開演
出演アーティスト:KANA-BOON、BLUE ENCOUNT、シナリオアート、DJみそしるとMCごはん and more
チケット:前売¥4,000(税込)1ドリンク代別途必要
※高校生以下キャッシュバックあり(¥500)

KANA-BOON / シナリオアート「talking / ナナヒツジ」Split Single Special Site
http://www.kanaboon.com/
http://kanaboon.jp/
http://www.scenarioart.jp/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる