ONE OK ROCK、『35xxxv』北米版が週間チャート3位 バンドの求心力を印象づける結果に

 さらに3位に入ってきたONE OK ROCK『35xxxv Deluxe Edition』は、今年2月に出た目下最新作のバージョン違い。米ワーナー・ブラザーズと契約した彼らが北米で初めてリリースする作品だから、このチャート内では輸入盤扱いとなる。歌詞がすべて英語詞に変わったことと、未発表の2曲がボーナス・トラックで聴けることが話題で、これは「モア・ゴージャス」というより「モア・洋楽!」路線だが、共に歌える日本語部分が英詞になったことを喜ぶファンは果たしてどれほどいるのだろう。だがそれも杞憂。この作品はしっかり日本で14,868枚売れているのだ。

 かつて、デラックス・エディションというのは金に余裕のあるオッサンが買うものだと思っていた。それは私がコレクター気質ではなく、何より貧乏だったからで、新譜の購入で毎月カツカツ、多少のバージョンが違っても基本的に入手済みアルバムであれば不買と判断していたからだ。若者層がメインと言われるワンオクのファン層。その中に心底コレクター気質の、とにかくワンオクの音なら何でも欲しいという人がこれだけいる。少なくとも約一万五千人が「相当のコアフアン」で「ほんまもんのワンオク・コレクター」なのだということが今週のチャートから見えてきた。これを核として、その周りに熱狂的なファン相当数おり、普通に好きなリスナーがいて、なんとなくワンオクを聴いている一般層がいる。ワンオクの求心力に改めて感じ入った次第です。

■石井恵梨子
1977年石川県生まれ。投稿をきっかけに、97年より音楽雑誌に執筆活動を開始。パンク/ラウドロックを好む傍ら、ヒットチャート観察も趣味。現在「音楽と人」「SPA!」などに寄稿。

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