SMAPの『のど自慢』出演は“音楽番組”の転換点となる? 5人の到達した境地を読み解く
同氏は、それぞれの個性を発揮しつつ、観客を盛り上げたメンバー5人のスキルと、彼らが番組に与えた好影響をこう分析する。
「たとえば、木村拓哉は出場者の合格を一緒に喜んだり、鐘を2個しか鳴らなされないと怒ったりと、自然体かつ一所懸命に振舞うその熱い姿は、かつて『紅白歌合戦』で北島三郎が『まつり』を歌ったとき、誰よりも全力で団扇を振って応援した彼の様子を思い出させました。また、中居正広は一歩引いた立場から全体を見ることでグループや番組をしっかりとフォローし、司会を務めた香取慎吾は、萩本欽一仕込みの“優しいけどシャープなツッコミ”でうまく出場者や応援の人たちとやりとりし、草なぎ剛はどこにいっても変わらない天然さで会場や視聴者を楽しませ、誰に対しても折り目正しい稲垣吾郎は、安定感のあるトークで出場者を引き立てていました。番組のコンセプトは崩さないまま、5人がそれぞれの個性を発揮して大いに企画を盛り上げている今回の『NHKのど自慢』は、SMAPの到達したある種の“境地”を知るには良い番組だと思います。26日放送分の『SMAPプレゼンツNHKのど自慢in山田町』も楽しみですね」
SMAPが持つスキルの高さと、企画の面白さを共に味わうことができた『NHKのど自慢』。今回の出演は、SMAPが幾度となく作ってきたテレビの転換点の新たな1ページとなるのだろうか。
(文=宮澤紀)