Hey! Say! JUMP、模索の末に“開花”へ 4thアルバムで見せたチームの結束力を読む

 続いて、山田涼介と岡本圭人が歌うのは、ラブバラード『3月14日~時計』。山田が作詞、岡本がギターで演奏するなど、それぞれの得意分野を存分に発揮。そして、知念侑李、中島裕翔、高木雄也、伊野尾慧の4人が『ペットショップラブモーション』を、遊び心いっぱいに歌った。それぞれがペットになるという独自の世界観で、かわいらしさを前面に出す。

 そう、今作はアーティストとしての成長も、男性としてのカッコよさも、アイドルとしてのかわいらしさも余すことなく味わえる、まさにJUMPの魅力が凝縮されている1枚なのだ。

 こうした、グループ内ユニットができるのも、メンバーがプライベートでも遊びにいくほどの仲の良さがあってこそ。それは、もしかしたらデビューから8年目という年月を経たからこそ、光ってくる魅力なのではないだろうか。

 若くしてデビューした彼らは、デビュー当時からチームとしての結束力があったわけではない。Jr.としての活動歴も年齢もバラバラだった彼らが、長く同じグループとして活動を続けていくうちに、だんだんと互いを知り、意識していったのだ。

 他ユニットとの掛け持ちをしたり、ソロデビューをした時期もあったが、それでも「JUMPをホームだ」と言い続けてきた山田。彼のチャンスを応援しつつも、そのホームを守ってきたメンバーたち。そんな模索した時期を経て、2015年の今、JUMPとしての花が開いているように思えるのだ。

 この夏、『24時間テレビ』のメインパーソナリティに選ばれたのも、大きな転機。ここからが、まさにJUMPとしての新たな章の始まりだ。ジャニーズファンのみならず、全国の老若男女に、その名が知られるタイミングになる。だからこそ、今作の通常版には、今一度メンバー紹介ソング『Viva! 9's SOUL』が収録されているのかもしれない。JUMPの魅力を再確認したい方も、今から知りたいという方も、JUMP入門編として最適な1枚ではないだろうか。

(文=佐藤結衣)

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