ゴールデンボンバー、活動方針に変化か? リリース形式やラジオ終了から考察
もっとも、ゴールデンボンバーのこうした一連の変化について、次のような見方もできると同氏は指摘する。
「昨今のゴールデンボンバーの活動を見て思うのは、彼らがどういう活動をしているグループかということが、ファンだけではなく広く一般に浸透したということです。まず、アルバムに関していうと、彼らはシングル『ローラの傷だらけ』をあえて“特典一切なし”で、しかもジャケットは真っ白でリリースするなど、音楽業界の現状に対して疑問を投げかけるようなプロモーションを展開してきましたが、今回のアルバムではそういう斬新な手法を取らないこと自体がむしろ話題になるという状況が生まれています。これは、彼らが“変わった活動をするグループである”という認識が一般にまで広がっているからこそ起こりうる現象で、ゴールデンボンバーがある意味、国民的な認知度を得たことの証ではないかと思います。ライブで“演出一切無し”が話題となるのも、変化球ばかり投げてきたからこそ、ストレートが珍しくなるという状態で、これも前述のアルバムと同じような現象かと思います。また、各メンバーがそれぞれ単体でもバラエティ番組で活躍できるようになったのも、その圧倒的な人気を象徴しているのでは」
音楽シーンきっての“トリックスター”としても勇名を馳せてきた彼らは、この先どんな方向に舵を切るのか。“演出一切無し”のライブがどのように受け止められるかが、その行き先を決める鍵となるのかもしれない。
(文=松下博夫)