ファレルはなぜスヌープを敬愛してやまないのか? スヌープ新作で全面タッグの背景

 一方、ラストに収録された「アイム・ユア・ドッグ」も、アルバム『BUSH』の重要なピースとなっている。この曲にリック・ロスと共にフィーチャーされているのが、ケンドリック・ラマーだ。

Snoop Dogg – I’m Ya Dogg(Ft. Kendrick Lamar & Rick Ross)

 3月にリリースされた傑作アルバム『To Pimp a Butterfly』が記録的なセールスと評価を獲得し、2015年を代表するアーティストの一人となっているケンドリック・ラマー。カリフォルニア州コンプトン出身のラッパーである彼に強い影響を与えたのがスヌープ・ドッグだった。

 実際、彼はメジャーデビューする前の2011年にLAで行われたライブのステージにてスヌープ・ドッグから直々に「新たな西海岸の王」に指名されている。スヌープだけでなくドクター・ドレーやザ・ゲームらからも祝福され、感極まって号泣する場面も見せている。

スヌープのスピーチ~ケンドリック・ラマーの感涙シーンは5:10より

 「ピーチズ・アンド・クリーム」のような70sファンクにレイドバックした楽曲とは対照的に、こちらの「アイム・ユア・ドッグ」は現在進行形のヒップホップとリンクするテイストなのも印象的だ。スヌープ・ドッグは、この曲でのコラボについてこんな風に語っている。

「ケンドリック・ラマーは、俺達が何年も前に植えた種なんだ。そこから芽を出して成長し続け、ウェストコーストのMCとして頂点に辿りつつある。驚異的な才能だよ。素晴らしい音楽を作り、パフォーマンス力も高い。だから今回のコラボレーションには満足している。彼に影響を与えたアーティストの一人が俺であり、その彼が俺のアルバムに参加してくれたということは、彼からの愛情の印だからね」

 つまり、アルバム『BUSH』は、70年代の生きる伝説と2010年代の音楽シーンの最先端を一つの線で結ぶようなアルバムなのである。これは、アメリカ西海岸シーンの顔役であるスヌープ・ドッグだからこそ実現できた一枚と言っていい。

 そう考えると、ファレルが「自分のアルバムより良いよ」とその出来栄えに自信満々だった理由も納得いくはずだ。

■柴 那典
1976年神奈川県生まれ。ライター、編集者。音楽ジャーナリスト。出版社ロッキング・オンを経て独立。ブログ「日々の音色とことば:」Twitter

■リリース情報
スヌープ・ドッグ
『ブッシュ』
発売中

SICP-4434
スペシャル・プライス \2,200+税
初回限定パッケージ
ボーナス・トラック1曲収録

1. CALIFORNIA ROLL featuring Stevie Wonder / カリフォルニア・ロール feat. スティーヴィー・ワンダー
2. THIS CITY / ディス・シティ
3. R U A FREAK / アー・ユー・ア・フリーク
4. AWAKE / アウェイク
5. SO MANY PROS / ソー・メニー・プロズ
6. PEACHES N CREAM featuring Charlie Wilson / ピーチズ・アンド・クリーム feat.チャーリー・ウィルソン
7. EDIBLES featuring T.I. / エダブルズ feat. T.I
8. I KNEW THAT / アイ・ニュー・ザット
9. RUN AWAY featuring Gwen Stefani / ラン・アウェイ feat. グウェン・ステファニー
10. I’M YA DOGG featuring Kendrick Lamar & Rick Ross / アイム・ユア・ドッグ feat. ケンドリック・ラマー&リック・ロス
11.PEACHES N CREAM (Instrumental)/ ピーチズ・アンド・クリーム(インストゥルメンタル) <ボーナス・トラック>

レーベル・サイト: http://www.sonymusic.co.jp/snoopdogg
配信サイト: https://itunes.apple.com/jp/album/bush/id961256177

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