Awesome City Clubが明かす、バンドの成り立ちと活動ビジョン「ドカンと売れたら一番おもしろい」

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4月3日開催の『Awesome Talks -vol.01-』より(写真=古溪一道)

「過去でも未来でもない街。日本でも外国でもない街」(マツザカタクミ)

——今回リリースされるファーストアルバム『Awesome City Tracks』は、「Awesome Cityという架空の街のサウンドトラック」というコンセプトの作品ですよね。そのコンセプトはどうやって決まっていったんでしょうか?

マツザカ:僕らが音源を発表するようになってから、いろんなところで「シティポップ」って言われるようになって。その括りにあまりしっくりきてなかったというのがあって。だったらもう、Awesome Cityという自分たちの街を作って、そこで鳴ってる音楽っていうことにすればいいんじゃないかなって思って。

——シティポップという括りに違和感を表明しつつも、ある意味では乗っかるという。ここでもまた、なかなかの八方美人ぶりですね(笑)。じゃあ、Awesome Cityという街を説明するとしたら、それはどういう街なんでしょうか?

マツザカ:過去でも未来でもない街。日本でも外国でもない街。これは個人的な話であまりメンバーにも話してないんですけど、親父が仕事でドバイに住んでて、そこに遊びに行ったことがあって。ドバイってなんにもなかった砂漠に高層ビルがメチャクチャ建ってるじゃないですか。

——うんうん。メチャクチャな都市計画で次から次へと高層ビルが建ってますよね。

マツザカ:そう。世界一高いビルとか、すごい変なかたちのホテルとか。でもその一画に、古いのか新しいのかわからない煉瓦のビルとかキラキラしたビルとかが密集して建ってる場所があるんですよ。それを見て、「あぁ、この感じいいな」って。このバンドを組んでから見た風景なんですけど、それ以来、なんとなく頭のイメージにあるのはその風景で。

——ドバイっていうと石油成金のイメージがあって、それとはちょっと違いますが、Awesome City Clubのメンバーの佇まいの何がいいって、日本のインディーズバンドとかにありがちな貧乏臭い感じがないところですよね。

PORIN:あはははは。

atagi:それはいいことです(笑)。メンバーの中では僕だけ地方出身なんですけど、田舎で暮らしていると勝手に東京のイメージを膨らませるじゃないですか。実際に住んでみると汚いビルとかたくさんあるんだけど、地方にいる時にイメージしていた東京の街はキラキラしていて。あの想像上のキラキラした感じっていうのが、自分の中のAwesome Cityのイメージで。だから、貧乏臭いと思われたくないです(笑)。

——PORINさんにとって、Awesome Cityのイメージは?

PORIN:わかんないです(笑)。

——ハハハハハハ。なんか、さっきから気になっているんですけど、PORINさん、かなりしたたかな感じがありますよね(笑)。可愛い顔して、とりあえず「わかんない」って言っておけばいいというか(笑)。

マツザカ:おっしゃる通りです。

——ただ、PORINさんは十分にチャラいけど(笑)、もっとメンバーのみなさんもチャラい人たちだと思ってました。こうして実際に面と向かって会うまでは。本質的にはチャラい人ではなく、どちらかと言うとチャラくありたいと思ってるチャラくない人たちなんだなって(笑)。

マツザカ:ははははははは。でも、チャラい人にも聴いてほしいという思いはすごくあって。音楽好きが聴いてくれるのはもちろん嬉しいですけど、そうじゃない人たちにちゃんと届くようなことをしていきたい。EXILEを聴いてる人にも聴いてほしいんですよ。

——いや、そこは本当に重要なことだと思います。だって、80年代の大瀧詠一とか山下達郎とかのすごさって、本当に当時のチャラい人たちも聴いてたってことだから。でも、90年代のフリッパーズ・ギターやピチカート・ファイブはそこには届かなくて、結局今では完全に音楽の棲み分けみたいなのができちゃってる。Awesome City Clubにはその壁を突破する存在であってほしいし、その可能性はあると期待してます。

マツザカ:だから、あんまりオシャレなものと思われたくないんですよ。オシャレなものも好きですけど、オシャレの入り口くらいにいたいんですよね。自分が合コンに行った時に「なんてバンドやってるの?」って女の子に訊かれて、バンド名を言ってもちゃんとわかってもらえて、なおかつ引かれないくらいの場所っていうか(笑)。

——そもそも「バンドマンが合コンに行くな」って話ですが(笑)。

全員:はははははははははは。

(取材・文=宇野維正)

■リリース情報
『Awesome City Tracks』
発売:2015年4月8日(水)
価格:¥2,000+税

<CD収録内容>
1.Children
2.4月のマーチ
3.Jungle
4.Lesson
5.P
6.It’s So Fine
7.涙の上海ナイト

■アルバム曲試聴ダイジェスト音源
https://www.youtube.com/watch?v=ReWAQJ-BOqc&feature=youtu.be

■iTunes
https://itunes.apple.com/jp/album/awesome-city-tracks/id975483819

■ライブ情報
『Awesome Talks -vol.02-』
8月21日(金) shibuya WWW
GUESTバンドあり
OPEN/START 18:15 / 19:00
料金(税込) ¥3,000 (当日:¥3,500) 1Drink別
チケット先行販売→http://l-tike.com/awesome2015www/

「Awesome City Government」
http://accgov.net/

http://www.awesomecityclub.com/

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