宇野維正のライブオーディション『HARE NOVA』レポート
『HARE NOVA Vol.07』ライブレポート 「バンドはナマモノ。オーディションがすべてじゃない」
以上、音楽的に非常にバリエーション豊かだった5組の出演者に続いて、ゲストアクトとして片平里菜が豪華メンバーを揃えた貴重なバンドセットで登場。1年前に福島から上京したばかり、当日の出演者ともほぼ同じ世代(実際にハザマリツシとは2011年の「閃光ライオット」で同じステージに立ち、それが彼女のデビューのきっかけとなった)ということもあって出演者たちへの親近感をステージ上で表しながらも、音楽シーンの最前線に立っているシンガーソングライターとして格の違いを見せつける素晴らしいパフォーマンスを披露。「デビューまであと一歩」のその「あと一歩」の大きさを感じさせるという意味でも、HARENOVAという場にしか生まれない特別な空気を生み出し、2015年のシーズン2を最高なかたちで締めくくってくれた。
原田公一「一番印象に残っているのは最後のとけた電球ですね。自分はいつもメロディを重視しているので、岩瀬くんの書くあのメロディはとても大きな収穫でした。あと、イエスマンも可能性に溢れたバンドでしたね」
杉本陽里子「いい出会いをたくさんいただいて感謝してます。また機会があったら是非また参加したいですね」
日置淳「これだけ『CDが売れない』と言われる時代でも、志の高いアーティストというのはたくさんいて、みんなCDを出したいと思っている。そういう若い才能が頑張っている姿を見れただけですごく光栄でした」
中山道彦「いつも思うんですけど、こういう場ってタイミングがすべてなんですよ。バンドにとってベストのタイミングというのもあるし、それを評価する側にとってもベストのタイミングというのがある。とけた電球は2年前から見てますけど、今日のステージを見て、この2年でものすごく成長していることに驚きました。本当にバンドってナマモノなんですよ。だから、バンドの皆さんに伝えたいのは、オーディションがすべてじゃないということです。いつでもチャンスがあるので頑張ってください」
(文=宇野維正/撮影=Ohagi)
■ライブ情報
「SMA 40th presents NEXT NEW LIVE SERIES HARE NOVA ハレノヴァ Vol.07」
2月24日(火) 東京・渋谷 clubasia (開場18:00 / 開演18:30)
「SMA 40th FINAL みんなとうた」
日時:4月1日(水)イベント広場 11:00~20:00 / 野外ステージ 12:00~19:00
場所:東京都 代々木公園 イベント広場/野外ステージ (雨天決行/荒天中止)
料金:無料
https://sma40th.com/minnatouta/
■原田公一:1977年より南佳孝のマネジメントを担当。その後、UNICORN、PUFFYほか、多くのアーティストに携わる。現・ソニー・ミュージックアーティスツ取締役。
UNICORN オフィシャルHP:http://www.unicorn.jp/
PUFFY オフィシャルHP:http://www.puffy.jp/
■中山道彦:株式会社ソニー・ミュージックアーティスツ代表取締役社長
■杉本陽里子:カラフルレコーズにてディレクターとして多くのロック系アーティストを担当
■日置 淳:当日のゲストアクトの片平里菜ほか、cinema staffなど担当
■宇野維正:音楽・映画ジャーナリスト。音楽誌、映画誌、サッカー誌などの編集を経て独立。現在、「MUSICA」「クイック・ジャパン」「装苑」「GLOW」「BRUTUS」「ワールドサッカーダイジェスト」「ナタリー」など、各種メディアで執筆中。Twitter