安田レイが掴んだ、シンガーとしての新たなビジョン「ようやく、自分の声を愛せるようになってきた」

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 パワフルな透明感とミステリアスな異国情緒を併せ持つボーカルで、ハイブリッドなポップ・チューンを歌うシンガー・安田レイが、1stアルバム『Will』をリリースする。現在21歳の彼女だが、ローティーンのときにモデルとしての活動をはじめ、13歳のときに音楽プロデューサー・玉井健二のプロジェクトである元気ロケッツのオーディションに合格。元気ロケッツのボーカル「Lumi」として音楽制作をしてきた経緯がある。2013年に安田レイとしてシングル『Beat of my Love』でデビューし、そして1stアルバム『Will』が完成した今、歌への思いや、シンガーとしてのビジョンについて話を訊いた。

「玉井さんとのレコーディングは、自分が持っているものを最大限に引き出してくれる」

――デビューから1年で1stアルバム『Will』が完成しました。今、率直な実感としては?

安田レイ:安田レイとしてデビューしてから1年とちょっと経ったんだっていうのもびっくりですし。こうして自分として大きな目標だったアルバムを作って、リリースできる喜びは大きいですね。

――『Will』というタイトルはもちろん、歌詞もサウンドも明るく前向きな曲が詰まっていますね。安田さん自身としては、どんな作品を作りたいかイメージはあったんですか。

安田レイ:今回は、失恋ソングも何曲か入っているんですけど、この1枚を聴き終わった後に前向きな気持ちになれるというか。また明日がんばろうって、明るい気持ちになれるようなアルバムを作りたいと思っていたんですけど、それが実現したんじゃないかなって思いますね。

――プロデューサーである玉井健二さんとは、どんなふうに制作でやり取りをするんですか。

安田レイ:自然な流れでアルバムの制作がスタートしてっていう感じで、気づいたらアルバムができ上がってっていう。ほんとあっという間な感じで。玉井さんとのレコーディングはいつも、自分が持っているものを最大限に引き出してくれるんです。「ここはこういうふうに歌って」とか――もちろん、アドバイスはたくさんくれるんですけど、こうしたほうがいいっていうよりは、わたしは伸び伸びと自由に歌わせてもらっていますね。

――制作の中では、安田レイとしてこんな曲もやってみよう、挑戦してみようという提案もあるんですか。

安田レイ:そうですね。今回はバラード曲を初めて歌ったんですけど。1stアルバムだし、何かたくさん新しいものに挑戦したいと思ったので、コラボレーションやカバー曲だったり、バラード曲はぜひやらせていただきたいなと。そういう、いろんなお話もしました。

――1曲目の「in the room」は、アコースティック・ギターに合わせて歌うスタジオ一発録りによる曲ですが、これもチャレンジのひとつですか。

安田レイ:「in the room」は、もともとは予定していなかった曲なんです。これは、元気ロケッツの「Heavenly Star」のアコースティック・カバーをレコーディングしたときに、ギタリストの大西省吾さんと一緒に今回録ったんです。「Heavenly Star」を録り終えた後、大西さんがギターをポロンと弾いていたものにわたしが合わせて歌っていたら、それを見ていた玉井さんが、「それいいじゃん!アルバムに入れちゃおうよ」みたいな感じで(笑)。一発録りなので、素のわたしの声を見せることができた1曲になりましたね。

――反対にアッパーチューンでの歌のありかた、気持ちのありかたの意識はどういうものですか。

安田レイ:ビートとかいろんなサウンドが重なっているのでそういったものに埋もれないように、ボーカルで引っ張るっていうのがわたしのなかでテーマになっているんです。どうしても普通に歌っていると埋もれていってしまう気がしているので。先頭に安田レイが立って、その後からビートやサウンドが追いかけているというイメージなんです。

――そういうイメージは、いつ頃から芽生えたものですか?

安田レイ:元気ロケッツのときですかね。元気ロケッツでは4つ打ちのサウンドが多かったので、自分が先頭に立って引っ張らなきゃっていうのは、その頃にあったと思いますね。この音の中に埋もれたくない!っていう。わたしが絶対に一番目立ってないといけないとか、先頭に立ちたいっていう気持ちが生まれて。

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