KAT-TUN、4人組になって見えたグループの強みとは? “ヤンチャ”だけではない魅力を検証
音楽面でも、田中が抜けてなお、KAT-TUNらしさが失われていないと、佐藤氏は続ける。
「映画の告知映像で流れる『Dead or Alive』を聞くと、疾走感のある四つ打ちのビートがハードな印象で、KAT-TUNらしさを感じることができます。田中さんのラップは、たしかにKAT-TUNの音楽的特徴となっていましたが、彼が抜けてもなお、その方向性は基本的に変わっていないようです。一方でメロディラインはポップでありながらどこかメランコリックな雰囲気もあり、より大人っぽいアプローチをしている印象で、グループとして成熟してきた今の彼らを象徴しているように思います。田中さんのラップに頼らずともKAT-TUNらしさを更新できたというのは、ある意味ではより明確にグループとしてのアイデンティティを見いだすことに成功している、ということではないでしょうか。メンバーの年齢も30歳に差しかかり、男性として成熟した魅力も増してくる時期だけに、今年はいよいよ勢いを取り戻していきそうです」
度重なるメンバーの脱退などにより、苦労が多かったKAT-TUNだからこそ、滲み出る魅力もあるのかもしれない。
(文=松下博夫)