ライムベリー、ワンマンで見せたアイドルラップの最新形 「今夜はブギー・バック」のカバーも

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 初披露となるMIRIのソロ曲「サンライト」は彼女の元気な部分が強く反映された曲。サビの「もっと遠くまでもっと遠く遠く早く」には、彼女の勢いと前向きな感じが現れていた。

 次に印象的だったのはアンコール。一人一人が今までの思いを語るフリートークは、普通なら感極まって泣き出してもおかしくない感動的な演出だが、そうならないのがライムベリーの面白いところだ。HIKARUに至っては、話がまとまらないからと、3.8秒バズーカーのギャグを披露。もはや、クールなDJというキャラすら壊れている。

 その後、HIKARUが「子供の手品師と魔法の種」という童話を朗読したのち、新宿BLEZEより愛をこめて、「Ich liebe dich(2MC MIX)」を披露。同曲を初披露した2012年の新宿MARZでのライブが頭をよぎる。

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 そして、昨年の1マンのアンコールで披露した「今夜はブギー・バック(smooth rap)」のカバーから「IN THE HOUSE」へ。「ブギー・バック」の「とにかくパーティを続けよう」というフレーズが引用されていることからわかる通り、「IN THE HOUSE」はライムベリー版「ブギー・バック」とでも言うような曲だ。90年代のテクノや日本語ラップのサンプリングとオマージュで成り立っているライムベリーの楽曲だが、この二曲をあえて並べることで、彼女たちが90年代の日本語ラップをアイドルという器を通して継承したことを高らかに宣言しているかのように見えた。

 同時に「IN THE HOUSE」は、活動休止から2MCで復帰して現在に至るライムベリーをもっとも象徴する曲だ。今年の彼女たちは文字通り「とにかくパーティーを続ける」ために活動してきたのだ。

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